「ぶっつけ本番だとしても楽しめばいい」 両親の影響も語る

数々の映画やドラマに出演し、3年連続で『NHK紅白歌合戦』の司会を務めるなど、多才な活躍で多くの人を魅了している橋本環奈。映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』(9月5日公開)では前作に引き続き主人公・森崎明日香を演じた。橋本にインタビューし、本作での役作りや、自身と役との共通点・違いなどについて話を聞いた。


2022年公開のホラー映画No.1大ヒットを記録した実写映画『カラダ探し』の最新作。明日香(橋本環奈)と高広(眞栄田郷敦)は、バラバラになった体を見つけ出すまで同じ日を繰り返す「カラダ探し」を終わらせるも、直後に明日香がこの世から消えてしまう。その3年後、陸人(櫻井海音)たち5人の高校生が遊園地を舞台にした「カラダ探し」に選ばれ、彼らの前に高広が現れる。6人は“呪いの連鎖”によって消えた明日香を救い出すため、全身血だらけの少女“赤い人”の恐怖と対峙する。

橋本は、明日香と自分との共通点はほとんどないという。

「明日香はものすごく引っ込み思案で大人しい性格なので、私と違う部分が多いですが、カラダ探しを経て強くなって成長していく中で、少し共通するような気持ちも芽生えました」

また、「カラダ探し」の呪いによってこの世から姿を消し、“死者の世界”で孤独な戦いを繰り広げる本作の明日香を演じる際には強さを意識し、特に目力にこだわったと語る。

「今回、明日香は遊園地には行かず、別の場所で1人で戦うので、気持ちを強く持たないといけないなと。カラダ探しを経て強くなっているところを見せたいと思いました。身動きできないシーンも長く、特殊メイクもしていたので、目力が大事だなと思い、目力で見せることを意識しました」

橋本自身は動じない強さの持ち主。『NHK紅白歌合戦』の司会ですら「緊張しない」と言い、強心臓ぶりで周囲を驚かせていたが、「緊張する方が難しい」と笑う。

「皆さんに『強い』と言っていただきますが、深く考えず、自らをリラックスさせようと意識してやっています。練習でやってきたことをやるのみというところもあるし、ぶっつけ本番だとしても楽しめばいいかなという感じで。
でも、少しドキドキ感というか、高揚した気持ちがあった方がいいと思うので、あえて緊張しようとすることはあります」

芸能界でさまざまな経験を積む中で緊張しない強さを手に入れたのかと思ったが、「子供の頃からです」と明かす。

「どうしてこうなったのかわかりませんが、両親も楽観的かもしれません。愛情はめちゃくちゃかけてもらいましたが、何でも好きなことをやっていいと言ってくれる放任主義の両親で、芸能界に入りたいという話をしたときも『いいよ』と言ってくれて、その代わり、『自分が選んだ道を楽しんでね』と。そういう両親だったので、のびのびできているのかなと思います」

そして、自身の性格について「中学生の頃から全然変わってない」と語る。

「自分が小学生とか中学生の時に思っていた大人って、ものすごく大人だったなと。今、26歳ですけど全然変わってない気がしますので、人ってそんな簡単に中身は変わらないのかな思います。もちろん、作品を重ねていろいろな役を演じると蓄積されていくので、そこは自分の糧になっていると思いますが」

「人に何か言われてもあまり気にしない」 たくましくいられる理由とは?

自身の性格で好きなところを尋ねると、「あまり気にしないというところですかね」と答えた。

「自分が好きなことや楽しいと思うことをやっていて、そこを自分でも認めているので、人に何か言われてもあまり気にしないというか、そこのスルースキルが高く、たくましいのかなと思います。あえて自分のことを好きでいようなんて思わないですが、嫌いでいる必要もないですし、好きなことをやれている自分は好きです。幽霊とかお化け屋敷とかも全然大丈夫ですし。あえて挙げるなら、SNSとかを見ていると人間が怖いなと。でも、そういうこともあまり気にしないので」

続けて、「小さい頃は、唯一お兄ちゃんだけ怖いなと思っていました(笑)」と打ち明ける。


「親よりもお兄ちゃんの方が厳しかったので。7つ上のお兄ちゃんは橋本家では絶対的な存在で、とても優しくでもしっかり者で、頭もいいし、社交的だし、友達も多いし、完璧なんです。夏休みの宿題も初日に終わらせるタイプで、私は全然やらないので怒られていました(笑)」

今の橋本は何でも完璧にこなすイメージだが、兄の影響があったのだろうか。

「そのイズムはあるのかもしれません。しっかり者のお兄ちゃんに、幼い頃からいろいろ教えて貰えたのはよかったのかなと思います」

最後に今後の抱負を尋ねると、「あまり目標や夢を掲げず、将来について思い描かないようにしています」と述べ、「今を生きるというのが自分のポリシーなので、今をとにかく楽しんでいきたいなと。臨機応変にいろんなことが起こる方が好きなので、この先、自分の予想を超える、いい意味で裏切る未来になったらいいなと、未来に期待している部分があります」と笑顔で語っていた。

■橋本環奈
1999年2月3日生まれ、福岡県出身。2011年に映画『奇跡』で女優デビュー。2016年に映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』で初主演を務め、第40回日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞。近年の主な出演作は、映画『キングダム』シリーズ、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』シリーズ、『今日から俺は!! 劇場版』(20)、『カラダ探し』(22)、『禁じられた遊び』(23)、ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(23)、『おむすび』(24~25)、『天久鷹央の推理カルテ』(25)など。また、舞台『千と千尋の神隠し』では、2022年の東京・帝国劇場初演から主人公の千尋役を務めている。

ヘアメイク: NAYA スタイリスト:滝沢真奈
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