自分で言い始めた“芸能界のスイーツ女王”が浸透「個性が出せてよかった」

“芸能界のスイーツ女王”と呼ばれ、自身のSNSやさまざまな番組などを通じてスイーツ情報を発信しているお笑いカルテット・ぼる塾の田辺智加。10月14日~20日には初となるスイーツPOP UP SHOP「田辺のお茶会(読み:ティーパーティー)」を東京・渋谷の西武渋谷店A館1階プロモーションスペースで開催する。田辺にインタビューし、スイーツへの愛やイベントへの思いなどを聞いた。


――まず、スイーツを好きになったきっかけを教えてください。

母の影響が大きいです。母がお菓子作りが大好きで、よく家で手作りのお菓子を作ってくれていたので。

――お母さんの手作りお菓子で育ち、自分でもお菓子を作ってみようと思ったのか、食べる専門になられたのか、最初はどんな感じでしたか?

最初は作ろうという方が大きかったと思います。母が作るのを見て、私も作ってみたいと思ってクッキーを作り始めて、研究のためにいろいろクッキーを食べる中でヨックモックのシガールに出会って。そのときに自分が作るクッキーと格が違うなと思ったんです。

――プロの味を知って、さらにいろいろお店のスイーツを食べるように?

そうですね。

――そして今では、“芸能界のスイーツ女王”と呼ばれるように。

それ、自分で言い始めたんです(笑)。当時は誰も言ってなかったんですけど、番組とかで言っちゃおうと思って。

――言い始めたのはいつ頃ですか?

出始めの頃は3人でテレビに出ていたんですけど、気づいたらあんりだけしか呼ばれなくなり、私とはるちゃん(きりやはるか)はのんきにお台場でパンケーキを食べているということがあって、このままでいいのかなと。私には特技もないし、どうしようと思ったんですけど、スイーツのお店に詳しいというのは言えるなと思い、「私、スイーツで仕事する!」ってはるちゃんに宣言し、番組に出たときなどにアピールするようになりました。


――自分自身をブランディングし、狙い通り“芸能界のスイーツ女王”として知られるようになったのですね。

ありがたいですね。本当にスイーツに関しては、自分で作っているし、食べてもいるしというので、自信はあったので。

○「デパ地下での私の人気すごいんですよ!(笑)」 手に持つ袋にも責任

――さまざまな番組で田辺さんのスイーツ企画が行われたり、今回イベントの開催が決まったり、スイーツに関する仕事が広がっている状況をどのように感じていますか?

夢のような嘘みたいな感じです。スイーツ=田辺になっているのが本当にびっくりですが、それだけ食べてきたという自信がありますし、好きな味に関して、なぜこのような味なのか自分なりに考えたり、お菓子と相当向き合ってきたので、確かにとは思っています。

――番組にあんりさんしか呼ばれないこともあったとおっしゃっていましたが、スイーツに関して田辺さんがメインで活躍されるようになり、当時の葛藤も解消されたのでは?

そうですね。ぼる塾は4人いて、各々得意なものがあるので、個性が出せてよかったなと思いますし、デパ地下での私の人気すごいんですよ!(笑)

――ロケのときに?

プライベートでもすごくて、デパ地下とかに行くと、いろんな方々が私に列をなして挨拶してくれるんです。私が持っている袋を見て、「それどこの?」と聞かれることもありますし、持つ袋も緊張します。責任があるなと(笑)

――プライベートでも気が抜けないですね。

そうなんです。でも、どこかで目立ちたがり屋な部分があるので、苦ではないです(笑)

――“芸能界のスイーツ女王”として知られる大きなきっかけになったなと感じていることがありましたら教えてください。

『ラヴィット!』でスイーツ企画をやらせてもらい、『坂上&指原のつぶれない店』ではお菓子のプロデュースをやらせてもらい、この2つが大きいかもしれません。


――ちなみにスイーツは毎日食べているのでしょうか。

毎日食べています。ずっと食べているわけではなく、1日に1個か2個と決めて食べるようにしています。

――スイーツ女王になってから、食べるスイーツの選び方など変わってきていますか?

コンビニスイーツは必ずチェックしています。「田辺さんが紹介するもの買えないじゃん」ってなると意味ないので、コンビニスイーツや、チェーン店、もしくは取り寄せできるものを紹介するというのを心がけています。

初のスイーツPOP UP SHOP開催に喜び いずれは自分のスイーツ店を

――10月14日~20日にスイーツPOP UP SHOP「田辺のお茶会」を開催されますが、イベントが決まったときはどんなお気持ちでしたか?

まさかこんなことができるんだって驚きましたし、うれしかったです。

――どういった経緯で開催することになったのでしょうか。

もともとぼんやり自分の中でもやってみたいという思いがあったんですけど、自分から積極的に「やりたいです」と一歩踏み出す勇気もなく、そんな中でたまたま吉本からお話をいただいて、立ち上がることができました。なんとなくふんわり考えていたから「やりたい」と言えたなと。全く考えてなかったら断ってしまっていたかもしれません。

――かなり覚悟が必要だったのですね。

自分だけというのが怖くて。
自分の責任が嫌で、本当は責任を負いたくないんです(笑)。「お客さんは来てくれるのかしら」という不安もありつつ、お話が進むにつれて、「これ、すごくいいんじゃないかしら」と思い、逆に完売しちゃったらどうしようという不安もあります。

――イベントに関して手応えを感じている部分を教えてください。

マリー・アントワネットに扮したビジュアルの撮影のときから手応えを感じていて、これに私の理想が詰まっています。私はマリー・アントワネットが大好きで、「マリー・アントワネットみたいな感じで」と伝えたら、装飾もお洋服も皆さんが協力してくださって。このビジュアルのアクリルスタンドも発売される予定なんですけど、自信しかないなと。このビジュアルをメンバーや先輩のゆにばーす・はらさんに見せたら「かわいい」とすごく褒めてくれて、ぼる塾のファンの方々もいいと思ってくれるだろうなと感じています。

――ちなみにマリー・アントワネットに惹かれているポイントは?

マリー・アントワネットの映画の世界観がかわいくて、『ベルサイユのバラ』もずっと好きで、最初は国民からすごく愛されていて、だんだん悲劇の方にいってしまいますが、あの優雅な感じとか、秘密の花園みたいなところも好きで、私は前世がマリー・アントワネットなんじゃないかと思うぐらいあの世界観に惹かれていて、自分も優雅さなどを持っていたいなという思いがあります。

――田辺さんが愛する福岡の絶品スイーツのセットも販売されるそうですね。

福岡でぼる塾の番組をやらせていただいていて、福岡のおいしいものをとにかく知っているんです。福岡で有名なお土産としてみんなが思いつくのもいっぱいあると思いますが、福岡内では人気だけど東京にはまだ届いてないものがあるので、それを広めたいと思って今回お菓子を発売させていただくことになりました。

○スイーツ=友達「スイーツを通じていろんな人と仲良くなれた」

――スイーツ女王としての今後の抱負もお聞かせください。


今まではいろんなところで買って食べたりしていましたが、いずれは自分の作ったものを出したいという思いがあります。

――ご自身のスイーツ店を?

はい。オンラインとかで発売できたらと。これは同期のレインボーの池田(直人)くんがきっかけで、池田くんはメイク・コスメが好きで自分でプロデュースしているんですけど、「自分のブランドを持った方がいいよ」と1カ月前くらいに言ってくれて、そこから考え始めました。

――どんなブランドにしたいと考えていますか?

私は焼き菓子が好きなので、クッキーとかを作りたいなと考えています。でも、いっぱい食べ過ぎているので、いろんなおいしい味を思い出してしまって、それを自分が超えないといけないというのはめちゃくちゃ難しいんじゃないかと思っています。おいしいものを知りすぎているので。

――田辺さんオリジナルの味で、これまで食べてきたプロの味を超えないといけないと。

そうなんです。これは難しいなと。私は何年もバレンタインで120人分のクッキーを作っていたことがあって、これという味はあるんですけど、めちゃくちゃシンプルなお菓子なので、それでいけるのかどうか。バターと粉と砂糖、全部こだわったバター味のクッキーで、もしかしたらこれなのかなとか考えています。


――改めて田辺さんにとってスイーツはどういうものなのかお聞かせください。

スイーツがなかったら私どうなっていたんだろうと。ずっと好きでしたが、ただの趣味だと思っていたので、まさか仕事になるとは。ありきたりな言葉じゃ済まされないぐらい大事なものです。人との関わりを全部スイーツが担ってくれていて。ずっと「スイーツ=人生」と言ってきて、確かに人生ではあるんですけど、人生という言葉だけでは片づけられないなと思っています。

――スイーツによって活動の幅も広がり、本当に大きな変化をもたらしてくれたものに。

そうなんです。田辺=これというものができたなと。「まぁね~」とかも自分のギャグとして誇りではありますが、さらに自分らしくいられるものというか、スイーツによって自信が持てたというのはあります。今、話していて思いましたが、「スイーツ=人との関わり」かもしれません。スイーツを通じていろんな人と仲良くなれたので、私にとって「スイーツ=友達」かなと思います。


■田辺智加
1983年10月18日生まれ、千葉県出身。2012年にNSC同期の酒寄希望とお笑いコンビ・猫塾を結成。2019年にあんりときりやはるかのコンビ・しんぼると合流し、お笑いカルテット・ぼる塾を結成。スイーツに対する情熱とこだわりは芸能界随一で、“芸能界のスイーツ女王”と呼ばれている。
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