京本は新たな育成の星となるか、期待が高まる(C)産経新聞社

 巨人は4月30日のヤクルト戦(東京ドーム)に3-4の逆転負け。開幕からここまで奮闘してきたドラ1右腕の西舘勇陽が決勝点を献上した。

【動画】西舘は7回二死満塁のピンチを迎え、サンタナに逆転適時打を浴びた

 3-2と1点リードの7回の場面から3番手で登板した西舘は安打と2四球で二死満塁のピンチを迎える。ここで迎えたバッターは現在リーグ首位打者のドミンゴ・サンタナ。この日も4回に二塁打をマークするなどリーグ屈指の強打者と対峙すると、甘く入った初球のスライダーを逆方向へ運ばれ、痛恨の逆転2点適時打を浴びた。

 新人史上初の開幕から10登板連続ホールドの快進撃を続けていたドラ1右腕もここにきて、4月26日のDeNA戦で初失点、初黒星を喫してこれで2試合連続の黒星となった。

 10ホールド中はわずか2四球だったところ、この日は青木宣親、村上宗隆に四球を与え、ピンチを広げたのも痛かった。

 「7回の男」として存在感を高めながらプロの壁にぶち当たっているが、阿部慎之助監督は引き続き起用を続けていく方針を示している。

 開幕からなかなか点を奪えない中で勝ち星を重ねられているのは救援陣の奮闘も大きいとされる。

 しかしここにきてカイル・ケラーが29日に抹消。阪神から移籍してきた助っ人右腕はリリーフとして8試合に登板、防御率3.86、2ホールドの成績だった。27日のDeNA戦では2点リードの7回に登板し、宮崎敏郎にソロホームランを献上しており、直近3試合は2本のホームランを浴びていた。

 指揮官も連投にならないように配慮しながら起用しているが、接戦も続き、どうしてもブルペンへの負担が増えている。

 新たな救世主として快投が期待されているのは30日に出場選手登録されたばかりの京本真にもありそうだ。

 今季プロ3年目、2021年の育成ドラフト7位入団の20歳右腕は今春のキャンプで頭角を現した。紅白戦で150キロ台をマークし首脳陣にアピールを果たすと、そのまま1軍に帯同、3月6日に高卒2年目内野手の中田歩夢とともに支配下登録を勝ち取った。
 
 開幕1軍こそ叶わなかったが、イースタン・リーグでも11試合に登板し、防御率「0.00」と完璧な成績を残していた。

 1メートル89センチと高身長から繰り出される角度ある直球と、マウンド度胸も抜群なことで知られる。伸び盛りの20歳右腕がブルペンに勢いを与える存在となるか、今後の登板内容も注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]