ダイヤモンドバックス戦でも好投した山本。(C)Getty Images

 文字通り危なげない投球だった。

 現地時間5月1日に敵地で行われたダイヤモンドバックス戦に、山本由伸(ドジャース)が先発登板。6回(94球)を投げ、被安打5、与四球2、無失点、5奪三振の好投で今季3勝目を挙げた。

【動画】6回無失点の好投!山本由伸のスプリットが冴えわたる!

 三者凡退は3回の1イニングだけと、ほぼ毎イニングで走者を背負う展開となったが、この日は平均球速95.9マイル(約154.3キロ)を記録した4シームを軸に要所をしのぐ。さらに序盤には浮ついていたスプリットやカーブも回を追うごとに低めに決まり始め、無失点の快投に繋がった。

 60%を超えれば上々と言われるストライク率も72%(94球中70球)を記録。課題となっていた制球難もここにきて改善傾向にあり、登板直後にデーブ・ロバーツ監督から労いの抱擁をされた山本も試合後のフラッシュインタビューで「ここまでの中では一番、自分らしいピッチングだったかな」と手応えを口にした。

 韓国でのデビュー戦では1回5失点でノックアウトされた山本。だが、そこから成績は向上している。実際、精彩を欠いた初陣を除いた6登板では、防御率1.64、奪三振率10.91、与四球率1.91、被打率.203、WHIP0.97と、オリックス時代と遜色のない好成績を収めている。

 ある意味で衝撃的だったデビュー登板後には「あまりに自信がなさそうだった」「悪夢」と、一部のファンや現地メディアから揶揄された山本。しかし、そこからの復調ぶりは流石と言うほかにない。

 ドジャースをこよなく愛する地元メディアの識者にとっても、日進月歩で進化を続ける山本は垂涎の的だ。

米専門サイト『Dodgers Nation』のダグ・マケイン記者は「ヤマモトは韓国でわずか1イニングしか持たなかった」と振り返り、こう綴っている。

「だが、どうだろう。その後の6試合で、彼は33イニングを投げ、6失点しかしてないし、防御率も1.64だ。ヤマモトは間違いなく本物だし、特別だ。彼のことを失敗作だと思っていた人がいたことが信じられない」

 徐々に“らしさ”を発揮してきている山本。その投球には文字通り世界が熱視線を注いでいる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]