東京ドームでの試合に向け、期待が高まる井上。彼が得る収入もかなりのものが見込まれている。

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 檜舞台で臨む防衛戦で、ボクシング界の“怪物”が得る対価は文字通り巨額だ。

 来る5月6日に東京ドームで行われるルイス・ネリ(メキシコ)とのタイトルマッチで、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が10億円を超えるファイトマネーを懐に入れると見込まれている。

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 昨夏に日本列島を熱狂させた一戦で“異例”の報酬を得ていた。英紙『The Sun』は、昨年7月にWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで王者のスティーブン・フルトン(米国)にTKO勝利した試合で井上は、両陣営に支払われた800万ドル(約12億6000万円)のうち、「500万ドル(約7億9000万円)を手に入れた」と伝えていた。

 フルトン戦でのファイトマネーは、軽量級の試合では「史上最高額」とされているが、来るネリ戦ではそれを凌駕する可能性が高い。井上の共同プロモーターを務める米興行大手『Top Rank』のエバン・コーン氏も自身のXで放映権料を含めたゲート収入は2800万ドル(約42億8400万円)に達すると投稿している。

 これが事実ならばフルトン戦の10億円超えを、さらに上回るファイトマネーを得るのは確実となる。もっとも、井上の圧倒的な実績や業界内での評価を考えれば、必然のグレードアップなのかもしれない。

 元世界ヘビー級王者のモハメド・アリ(米国)ら伝説級の選手たちを幾人もプロモートしてきたボクシング界の重鎮ボブ・アラム会長は、31歳の日本人王者を「特別」と断言。そして、こう続けている。

「イノウエのこのボクシング界におけるスペシャルさは、野球界でショウヘイ・オオタニがベーブ・ルース以来見られなかったようなことをやってのけているのと同じだ。それぐらいにイノウエは素晴らしいんだ」

 大谷翔平が昨年12月にドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の超大型契約を締結したのは記憶に新しい。

アラム会長曰く、そんな球界のスーパースターと同じだけの価値が井上にはあるという。

 ネリ戦では井上の稀有な価値が証明される。そんな世紀の決戦に対する興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]