秋広は昨年10本塁打をマークした(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は5月3日から本拠地東京ドームに阪神を迎え、3連戦を戦う。

 同カードは球団創設90周年の特別記念試合「長嶋茂雄DAY」(3日)を含め、チームにとっても大事な戦いとなる。

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 3日は巨人OBの松井秀喜氏も来場、同日の解説は松井氏と高橋由伸元監督がW解説を務めるなど、長嶋氏の野球人としての功績をたたえるにふさわしく、華々しい祝賀ムードに包まれた試合ともなりそうだ。

 対戦相手となる阪神では注目の2年目左腕・門別啓人が今季初先発となる予定。チームのエース、戸郷翔征との投げ合いも話題を集めそうだ。

 そんな記念試合でひそかに注目されていたのは、開幕からファームで調整を続けている「55番」秋広優人にもある。

 巨人にとっては松井氏も着けた特別な「55番」を背負う。左の大砲候補は昨年、121試合に出場、打率.273、10本塁打をマーク。

一時はクリーンアップを任されるなど非凡な才能開花を期待された。

 しかしプロの道は甘くない。プロ4年目を迎える今季はオープン戦6試合に出場し、16打数2安打、打率.125と結果を残せず。開幕1軍入りは果たせなかった。

 ファームでは桑田真澄2軍監督の下、さらなる上積みを目指し汗を流す日々を送っている。一方、成績はここまで30試合に出場、打率.216、0本塁打、8打点(5月2日現在)と試行錯誤している様子も伝わってくる。

 巨人ファンからすれば、記念試合を迎えるにあたって”新旧”55番の揃い踏みが見たかったという気持ちもあるだろう。

 今春のキャンプで臨時コーチを務めた松井氏は秋広にも様々なポイントで熱い助言を送ったことも伝えられた。打撃において自身のスタイルを見つけることの大事さを説き、ロマン砲の覚醒を願っていたとあって、秋広にしても成長した姿を示したかったところではある。

 一方、チームの外野手布陣では現在、ドラフト3位ルーキーの佐々木俊輔、また2年目の萩尾匡也などが躍進している。

 秋広にとっても勝負の4年目、まだまだ巻き返しの時間は残されている。何よりスタンドまで悠々と飛ばす力は何より、55番を背負う男ならではのロマンを体現している。

 早期昇格は叶わなかったが、シーズン中にその力を求められる時期は必ず来るはず。捲土重来のときを待ち、今は力を蓄えることを願いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]