タパレス戦でも異次元さの強さを見せつけた井上。そのカリスマには、海外メディアの賛辞も止まない。

(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 類まれな才覚、磨き上げられたパワーと技術、そして観る者を魅了してやまないカリスマ性。日本ボクシング界が生んだ“怪物”井上尚弥(大橋)の価値は高まる一方である。

 5月6日には、元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)とともに、日本のボクシング、いやスポーツ史上においても稀有な大興行のメインマッチを飾る。ボクシングの世界戦が東京ドームで行なわれるのは、1990年2月に「剛腕」マイク・タイソン(米国)が、ジェームズ・ダグラス(米国)の一撃に沈んだ世界ヘビー級タイトルマッチ以来、34年ぶり。まさに歴史的な出来事と言っていい。

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 ゲート収入だけでも2000万ドル(約30億6000万円)と言われる一戦。

それだけの莫大な収益を生み出した井上には、各国メディアからの期待も膨らむばかりだ。

 英国内での放映を決めている英衛星放送『Sky Sports』は「イノウエは小柄だが、とても高くそびえ立っている。彼自身は静かだが、存在感は大きく、少し恐ろしくもあり、少し神秘的でもあり、そしてミステリアスでもある」と指摘。さらに「イノウエは地球上で最も危険な男かもしれない。優位すぎるがゆえに、あまりにも簡単にメインストリームの網をすり抜けてしまう」と、図抜けた強さを強調する。

 さらに「希望に満ちたファイターたちは遠路はるばる日本まで旅をし、果敢に挑戦をするが、モンスターによって無慈悲に殺されるだけだ」と、井上の“無敗伝説”を論じる同局はネリ戦の予想も展開。

こうぶち上げている。

「ネリはイノウエと互角に渡り合えるような、恐れを知らずの好戦的な選手ではあり、有能なコンテンダーだが、東京では全く別の種類の才能が出迎えられるだろう。これまでも、どんなにポテンシャルや可能性があったとしても、誰もイノウエを脅かした者はいない。ネリも、あらゆる資質を備えているにもかかわらず、次なるターゲットにすぎないのである。イノウエは戦いとキャリアが重ねるにつれて、その強さと危険性が増している」

 世界で「勝利は揺るぎない」とされている。そうした一方的な空気が流れるなかで、井上がどのようなパフォーマンスを見せるかは必見だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]