西舘が新フォームで躍動した姿を見せた(C)産経新聞社

 リーグ連覇、日本一奪回を目指す巨人では昨年15勝をマークした菅野智之の穴をいかに埋めるかも大きなテーマとなっている。

 昨季、リーグ最多勝、貯金12を作ってエースの矜持を示した右腕の穴を阿部慎之助監督は1人の投手が背負うのではなく、複数の若手で埋めてもらいたいと願っている。

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 その意味でまず先陣を切って、快投を示したのは11日に行われた紅白戦、白組先発としてマウンドに上がった西舘勇陽だった。

 まだ肌寒い2月初旬の段階でありながら最速154キロをマーク。先頭の若林楽人を追い込んで、変化球で空振り三振を奪うと、続くドラフト1位ルーキーの石塚裕惺は直球で見逃し三振。最後は岡田悠希に対し、直球でニゴロに仕留めた。

 昨年のルーキーイヤーは高速クイックが話題を集めたが、先発転向となる今季は改めて足をしっかりあげてためを作る新フォームにも着手している。のびやかなフォームから繰り出される直球は力強さが増しており、今後激化する先発争いに向けて、まずは順調なスタートを切った。

 昨季はチーム構想にしたがい、まずは中継ぎとしてキャリアをスタート。主に救援投手として28試合に登板し、1勝3敗1セーブ、20ホールド、防御率3.82と存在感を示した。

 今季の先発では戸郷翔征、2年連続2桁勝利の山崎伊織、侍ジャパンでの勇姿も注目された左腕、井上温大、安定した投球が持ち味の左腕助っ人のフォスター・グリフィンが4本柱、この4人に続く5番手、6番手の台頭が待たれている。

 チームには同じく先発ローテ枠を争う、赤星優志、堀田賢慎、横川凱、平内龍太、京本真、楽天から新加入となった田中将大らが控える。

 熾烈な争いが続くほど、投手力の底上げにもつながるとあって、期待される右の本格派へ確かな一歩を歩めるか。22歳の挑戦に今季は注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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