今オフにパドレスに入団したブロッソー。(C)Getty Images

 決して順風満帆な時期ではなかった。

それでも元NPB助っ人にとって日本での日々は貴重な経験として刻まれている。現地時間2月24日に元ロッテで、今オフにパドレスとマイナー契約を締結したマイク・ブロッソーが、米ラジオ局『97.3 The Fan』の取材で「いい点しかなかった」と回想した。

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 2019年にレイズでメジャーデビューを飾ったブロッソーは、ブリュワーズに所属した2023年7月にロッテに移籍。内外野の複数ポジションを守れるマルチさと、パンチ力を秘めた打撃が期待されたが、結果は鳴かず飛ばず。出場37試合で打率.191、1本塁打、OPS.504と低アベレージに終始して、シーズン終了後に退団を余儀なくされた。

 異国で本領は発揮できなかった。それでもブロッソーにとって幕張でのキャリアは小さくない刺激となっていた。『97.3 The Fan』で「新しいチャンス、そして新しい文化にワクワクしていた。人々だったり、ファンや食べ物、たくさんのことについてね」と来日前の心境を回想。その上で「日本の選手たちにどれだけ才能があるかは、WBCで誰もが実感したと思う。野球であることに変わりはないけど、彼らの『野球』は少し違うんだ。投手の扱う球種のレパートリーも違うし、全体的に徹底された基礎がベースにある」と強調した。

 心機一転を図った挑戦で見事に躓きはした。それでも30歳の元助っ人の心に後悔はない。「日本でプレーした経験は、いいことしかないね。(日本で)プレーする決断をして、今もハッピーだよ」と続けた。

「僕は日本でたくさんのことを学んだ。だから、今はいくつかの教訓をアメリカでの野球人生に引き継いでいければと思っている」

 わずか半年、されど半年。助っ人として世間的に好印象を残せなかったブロッソーだが、日本で得たかけがえのない教訓を新たな野球人生に生かしていく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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