キム・ヘソンがOP戦で“メジャー初安打”を放った(C)Getty Images
極度の打撃不振に本人も「野球には正解がない」と吐露
やはりメジャーの壁を超えるのは容易ではない。今オフにドジャースに入団したキム・ヘソンが、もがき苦しんでいる。
今年1月に韓国キウム・ヒーローズからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を決めたキム・ヘソン。
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ドジャースは、今オフに正二塁手だったギャビン・ラックスをレッズに放出。これによって二遊間を主に務めてきた韓国の俊英に対する期待は高まった。しかし、春季キャンプでの評価は一向に上がらない。
あくまでスモールサンプルに過ぎないが、オープン戦での成績は、打率.083(12打数1安打)、5三振をからっきし。唯一のヒットは一、二塁間に転がった凡打で稼いだ内野安打のみ。さらに韓国時代に異彩を放ったコンタクト力も低迷。昨季に10.9%だった空振り率も35.7%に上昇し、選んだ四球の割合を示すBB%も14.3%と悪化している。
スタッツを見ても技術的な課題は明らか。持ち味を発揮しきれずにいるキム・ヘソン自身もそれは重々承知している。韓国メディア『OSEN』の取材に応じた際に「簡単ではない。
とはいえ、守備でも2失策と良いところはなく、このままでは戦力として計算するのは難しい。そうした状況もあって、球団はマイナーでの調整も思案している。米紙『Los Angeles Times』は「スカウトたちはキムのコンタクト能力、守備面のマルチ性、電光石火のスピード(KBO通算211盗塁)を高く評価していたが、MLBに移籍を決めた時からパワー不足が最大の懸念事項」と指摘。依然として改善点があることを論じた。
「ドジャースは彼のスイングを正しく変えれば、巧みな野手が打席で結果を出せると期待した。しかし、今の彼は才能豊かな投手陣を相手にした実戦の打撃練習でもしばしば力不足に見え、球速の急激な上昇と大きく曲がる変化球の嵐に適応するのに苦労している」

打撃フォームの改善も図る中で、苦心するキム・ヘソン。そのパフォーマンスは米メディアでも厳しく指摘されている。(C)Getty Iamges
ド軍ロバーツ監督も「懸念」
さらに同紙は「ひとつ疑問があるとすれば打撃だ」としたロバーツ監督のコメントを紹介。
「今から3月下旬の本拠地開幕までには、ロースターを26人にまで絞る必要があり、状況は大きく変わる可能性がある(東京でのシーズン開幕戦に26人以上の帯同が可能)。仮に負傷者が1人でも出れば、キムの立場も変わり、開幕メジャーも望めるかもしれない。
しかし、現時点で彼の開幕ロースター入りは疑問視されている。ドジャースが彼の長期的な見通しに役立ち、スイングの改善にも役立つと判断した場合には、マイナーリーグで先発機会を与える可能性は大いにある」
『OSEN』など韓国メディアの取材に対して「まだまだ努力が足りないし、結果を見せなければいけない」と自己分析を口にするキム・ヘソン。アジア球界で異彩を放った俊英が、激しいメジャーの競争下で開幕ロースターの座を掴めるかは、他の日本人選手たちの活躍とともに見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]