花巻東対決を制し、球界でフィーバーを巻き起こした大谷。(C)Getty Images
小春日和となった列島をも大きく沸かせたのは、偉才の一振りだった。
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文字通りの一発回答だ。昨年11月に左肩関節唇断裂の修復手術を執行した大谷は、4か月間のリハビリに集中。この日は今春初の実戦だったが、肩の状態を不安視する声を吹き飛ばす一撃を見舞った。
変化球と4シームを織り交ぜた菊池の攻めは悪くなかったように思える。ただ、3球続いたカーブを見極めてカウント3-2としたところで大谷に分があったのかもしれない。迎えた6球目、背番号17は外角高めにやや甘く入った93.9マイル(約151.1キロ)の4シームを左中間方向に弾き返した。スタンドが一瞬静まり返った衝撃の一打だった。
試合後に「ある程度、球数も見ながらスイングもしながら、空振りもあったが、体的に問題なかったので、いい一日だったなと思っています」と振り返った大谷。目に見える結果にも一喜一憂せずに「やっぱり試合のレベルになると、また違う力が入る」と開幕に向けた修正点を口にしたあたりに凄みが垣間見える。
ただ、久々の実戦で大きな存在感を示した大谷のパフォーマンスは、国際的な話題となった。
「日本のスターは、左肩のひどい怪我を修復する手術から戻ったばかりだった。しかし、彼が放った今回の本塁打は、メジャーリーグの巨人たちを相手にした時には、一振りが生死を分けるものである宣告のようでもあり、怒りと救済の閃光のようでもあった。彼は単なる復帰ではなく、壮大な復活を遂げた」
さらに「あらゆる懸念や関心を沈黙させるのに、オオタニわずか6球しか必要としなかった」と伝える同紙は、“投手・大谷”の復帰が5月以降に予想。その上で「ショウヘイがマウンドに舞い戻った時、どんな狂気が我々を待っているのだろうか」と期待を寄せた。
たった一打席、たった一振りで世界の関心を集めた大谷。そのスター性にはただただ脱帽するばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]