東京で生きる女子たちをオムニバス形式で描くドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS、TBS/毎週火曜深夜)の第10話が、6月15日(火)の深夜に放送された。楓(高野洸)と少しでも多く会いたいとの思いから、風俗で働き始めた萌(箭内夢菜)。
■萌に適切な対応をする仕事人・楓
楓に少しでも多く会うために、奨学金や親からの借金を返すために風俗を始めた萌。1日4万円、それまでしていた居酒屋バイトの月給に近い額を1日で稼げるようにはなったものの、精神的には不安定になっていた。
「私、こんなことしてまで楓に会いたいのかな」「もしも電話に出なかったら、もうおしまいにしよう」。そう心の中で決め事をし、萌は楓に電話をかけた。ここで萌が10回以上呼び出し音が流れているのに、切れないのが妙にリアルだ。「あと1回呼び出し音を聞いたら、きっと楓は出てくれる」。本心では楓との関係を終わらせたくないからこそ、萌はなかなか受話器から耳を外せないのだろう。
呼び出し音が10回を超えて、さすがに切ろうとしたタイミングで、楓は「萌ちゃん?」と応答する。しかし楓は萌が泣いたからと言って取り乱すことはしない。「何かあったら話聞くからね?」と言いつつ、必要以上に楓から萌について聞くことはない。
楓のホストとしての優秀さに恐怖を感じたのは、ゆあ(齋藤なぎさ)とハルヒ(藤原樹)と萌と楓、4人でアフターした日の帰り道でもそうだ。ハグした後、萌の耳元で「誕生日いつ?」と聞いたのは、その後で萌が「楓は誕生日いつなの?」と聞くのを期待しての行動のように見えた。さらに誕生日を答えたものの「バースデーイベントがあるから…」とは言わず「一緒の月だね」と返すのは、萌に対して「お客さんとして見てない」スタンスを貫き通そうとする楓らしい。「今も好きでいてくれている?」と聞いた後でのキスからのハグで、キュンとさせたのも、そんな思いを込めての行動なのだろうか。楓に対して萌が恋心を抱いているのを知っているからこそ、切なくて胸が締め付けられた。
さらに萌の前では、優しくて紳士的な楓。しかし、裏では七星(坪根悠仁)から萌が高級シャンパンを入れることを聞いたところで大きく顔を緩めることもなく「そうなんすね」と一言。この表情から、結局のところ楓にとって萌は単なる客でしかないのだということを思い知らされた気がした。
風俗の客に嫌悪感を抱いているイメージシーンなどもあり、楓を好きでいることとお金を使うことへの気持ちに折り合いがつかなくなり始めた萌。その一方で、今まで注目を浴びることなく、お姫様扱いなどをされてこなかった萌にとって、今が幸せなのも事実。幸せと辛さが混ざり合っている今、萌が今後どんな答えを出すのか注目していきたい。
■再現度の高い“ゆあてゃ”齋藤なぎさに絶賛の声
切ないシーンも多かった一方、ゆあのかわいらしさにハートを射抜かれた回でもあった第10話。特に注目したいのは、コミックでも名言とされている「萌てゃ~被りは伝票で殺すんだよ?」を齋藤なぎさが見事に再現したシーン。このシーンは、SNSでも「ゆあてゃ、リアルすぎる!」「名言キタ!」と盛り上がりを見せた。
さらに4人でのアフターでボーリングに行った際、両手で独特な投げ方をしたゆあ。ハルヒから「なんだよ、その投げ方。子供か」と笑われたのに対して「子供じゃないもん」と反論する、二人の仲睦まじさは温かい気持ちにしてくれた。このシーンに、SNSでは「ゆあてゃのボーリング、癒しすぎる」「原作の投げ方、再現してるのすごい」と絶賛の声が集まっていた。
しかし、この後でゆあはハルヒの無神経さに激怒。来週の放送では波乱の展開が待ち受けていることが予想される。さらに“レンタル彼女”としての顔を持つ雪(吉川愛)と、そんな雪を真っ直ぐに思う客・壮太(楽駆)のアナザーストーリーもありそうな予感。最終話まで目が離せない。