残すところあと2話となった『真犯人フラグ』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)。怒とうの展開が相次ぎ、ネットを中心にさまざまな考察が繰り広げられている。

その中で回を追うごとに視聴者からの“信頼度”が上がっているのが、神出鬼没で謎の発言を繰り返す猫おばさん(平田敦子)だ。今回は、第1話から第18話までの猫おばさんの意味深な発言や行動を、ポイントを絞って振り返っていく(以下、第18話までのネタバレを含みます。ご了承のうえ、お読みください)。

【写真】ずっと謎だった職業が明らかに! 第18話の猫おばさん

謎行動ばかりだった“猫おばさん”

 本作は秋元康が企画・原案を務め、『あなたの番です』(同系)スタッフが“一億総推理作家時代”に贈る、2クール連続放送のノンストップ考察ミステリー。

<第1話>
 記念すべき猫おばさんの初登場シーンは、相良凌介(西島秀俊)たちが新居の工事現場で写真を撮ろうとしているとき。猫おばさんは凌介たちに「あら、ここに越してくる方?」と尋ね、「何もないといいけどねぇ」という言葉を残し去っていく。

 このときはまだ真帆(宮沢りえ)たちの失踪事件は起こっていない。何かを暗示する言葉だったのだろうか?

<第2話>
 猫おばさんが夜道を歩いていると、猫のショスタコーヴィチがカートから飛び出してしまう。猫おばさんがその先に目を向けると、そこには公衆電話で電話をしている人物の姿があった。その後、新居の工事現場には光莉(原菜乃華)のローファーが埋まっていた。猫おばさんがこのときに目撃したのは、ローファーを埋めた人物・本木陽香(生駒里奈)だ。

<第3話>
 またもや夜道、猫おばさんは相良家の新居の前を歩いていた。
猫おばさんは「お父さんお父さんそれそこに魔王の娘が~」とシューベルトの「魔王」を口ずさんでいる。「魔王」の歌詞は、息子を抱いた父親が馬で夜道を駆け抜ける…という内容で、息子は“魔王のささやき”を聞き、最後には父親の腕の中で息絶えてしまう。この後も猫おばさんは登場の際に「魔王」を歌っていることがある。

<第4話>
 猫おばさんは「103デシベル! 信じられない! 103はデシベってますよ!? 耳が腐る!」と相良家の工事の騒音を林洋一(深水元基)に訴える。林が謝罪すると、猫おばさんは「なるほどね~。靴のせいで全部やり直しってわけ。大変ね」と納得した後に「で、あの靴埋めた女、捕まったの?」と尋ねる。靴を埋めたのは陽香だが、この時点でそれは判明していない。

 林が「見たんですか?」と尋ねると、猫おばさんは猫を抱えて「うちのショスタコーヴィチがね。そう言ってたのよ」と答える。

<第7話>
 刑事の阿久津浩二(渋川清彦)と落合和哉(吉田健悟)は、光莉の動画を送った送信元のネットカフェの近くの監視カメラに映っていた女性の写真を猫おばさんに見せて聞き込みをする。猫おばさんは「ショスタコどう思う?」とショスタコーヴィチに話しかけながら「そうよねぇ。
電話してた女もこんな感じだったわよね。私の5分の1ぐらいのもやしみたいな女よ」と告げる。

 阿久津たちが猫おばさんの元を離れながら「ここまでしっぽつかませないって一体何者なんですかね」と話をしていると、猫おばさんは「魔王の娘よ!」と言い、「魔王」の「魔王の娘は坊やをつかんで連れていく」という歌詞を歌い出す。

「真相編」では評価が上がり、正体も明らかに!

<第12話>
 光莉が「私のお父さんが全部やりました。だから皆さんにお願いです。私のお父さんを殺してください」と話している動画が拡散されたことで、世間から疑いの目を向けられてしまった凌介。そんな凌介の前に猫おばさんが突然現れ「あなたも大変ね。オド・ヴァンピリスムス。淀み(よどみ)の顕現…怒りの日」と意味深な言葉を残す。

 これについては脚本家の高野水登が自身のツイッターにて「吸血鬼といえば血液を吸うわけですが、実は人間の生命エネルギーを吸っているという説があり、これを『オド・ヴァンピリスムス』と言うようですよ」と語っている。

 そしてこの回の終盤では、光莉が陽香から血を抜かれている。

<第15話>
 この回では、菱田朋子(桜井ユキ)、息子の清明(桑名愛斗)、望月鼓太朗(坂東龍汰)、山田元哉(柿澤勇人)が団地の前で話しているところに出現。
朋子は清明に「出ちゃダメって言ったでしょ!? 殺されちゃうかもしれないんだよ!?」と告げる。そこに猫おばさんが「静まれ~い!」と現れ「こんにちは」と清明に黒猫を渡す。そして菱田に向かって「頼れる人がいるなら遠くに行きなさい。淀みの渦ができてる。すぐそこにいる。魔王が!」と忠告する。

 その後、強羅誠(上島竜兵)が凌介や朋子が暮らしている団地に越してきた描写があったことから、SNSでは「魔王=強羅」ではないかという考察も飛び交っていた。

<第16話>
 凌介と光莉は篤斗(小林優仁)が入院している病院へ。強羅は2人の後をつけていた。すると強羅の前に突然猫おばさんが現れ、「何をしてるの?」と強羅の腕をつかむ。強羅は「耳鼻科ってどこかお聞きしたくて」と答えるが、猫おばさんは「ここはあなたの来る場所じゃない」と告げる。強羅が「僕、ひどい寒暖差アレルギーで」と続けると、猫おばさんは「その物騒なものをしまいなさい」と訴える。


 実は強羅は凶器を隠し持っていた。車の中で強羅は「なんでわかったかなぁ」とつぶやく。

 この回では、強羅を制止したことによって、猫おばさんは実は“正義の味方”なのではないかという声も飛び交っており、このシーンには多くの反響が集まっていた。

<第17話>
 二宮瑞穂(芳根京子)が夜道を歩いていると、「おばんです」と猫おばさんが現れる。猫おばさんは瑞穂を見て「元気そうでよかった」と反応し、瑞穂がその場を去ろうとすると、猫おばさんは「電話」と一言。その後すぐに瑞穂の携帯電話が着信を知らせた。

 猫おばさんは「あなたは決断を迫られる。もう間違えないようにね」と瑞穂の過去と未来を知っているかのような発言をする。この回からは、猫おばさんが“超能力者”や“預言者”なのではないかという声が集まっていた。

<第18話>
 この回では、ついに猫おばさんの正体が判明する。河村俊夫(田中哲司)が裏路地の「占」と印がある店に入ると、そこには占い師の姿の猫おばさんがいた。

 河村が、瑞穂はここに来たことがあるかと尋ねると、猫おばさんは「3年前の秋。
よく覚えてるわ」と話し「猛烈にむなしかった。私には、忠告することしかできないから。たとえどんな悲劇を見通したとしても…」と振り返る。ここで第17話で瑞穂に言っていた言葉がつながることになる。

 そして「ああ、これね。彼女の紹介で2人で来たわ」と河村に占い台帳を見せる。そこには「二宮瑞穂」と「相良真帆」の名前が並んでいた。

 猫おばさんの衝撃の一言で幕を閉じた第18話。2クール続いた『真犯人フラグ』もついに佳境で、さまざまな真実が明かされながらも、いまだに残っている謎が多い。見つかっていない真帆はどこにいるのか、何をしているのか。正体がわかった猫おばさんの今後の動きにも注目したい。(文:山田果奈映)

 ドラマ『真犯人フラグ』は日本テレビ系にて毎週日曜22時30分放送。

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