息をもつかせぬ展開で視聴者の考察や反響が過熱する二宮和也主演の日曜劇場『マイファミリー』(TBS系/毎週日曜21時)。連続誘拐事件に巻き込まれる鳴沢温人(二宮)らが犯人と対峙していく本作で、鳴沢家とは家族ぐるみの付き合いのある、日本を代表するネットサービス企業のCEO・阿久津を演じるのが、松本幸四郎だ。
【写真】娘の誘拐事件に直面し、阿久津(松本幸四郎)の父&夫としての素顔が明らかに
“自然体”二宮和也の畏まらない気遣いに感謝
『グランメゾン東京』(2019年)、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021年)などを手掛けた脚本家・黒岩勉がオリジナルで描く本作は、誘拐された娘を取り返すための唯一の方法として警察を排除することを決意した夫婦が、娘を取り返すべく戦っていくストーリー。娘を取り戻した温人だが、取り逃した犯人は温人の大学時代の友人・三輪(賀来賢人)や阿久津の娘を誘拐し、温人を交渉人として身代金を要求してきて…。
2008年の日曜劇場『猟奇的な彼女』(TBS系)以来の現代ドラマ出演で、十代目松本幸四郎を襲名してからは民放初ドラマとなる本作。幸四郎は「役を演じる上で洋服を着るのは久々だったので、『洋服が似合うかな』という不安はありましたけど、多分大丈夫だと思います」と照れ笑いし、周りの反響を問うと「現代ドラマというよりは、日曜劇場に出るんだということに驚かれました。それぐらい久々ってことですよね」と微笑む。
演じる阿久津は5話までは犯人とも思われる怪しさがあったが、幸四郎は「阿久津は会社の立場的にも、あまり感情を表に出さない人間。なので落ち着いていて、冷静な感じは意識しました。それがこの作品の中ではいろいろな謎を呼ぶと思いますが、犯人なのかそうじゃないのかどっちとも取れる、ちょっと面白さを感じていただけるような味付けで演じています」と口にし、「見ていただく方の想像が当たっているのか外れているのかは、これから分かってくることだと思います」と打ち明ける。
主演の二宮については、「二宮さんは本当に自然体。演技なのでもちろん役作りをされてきてると思いますが、全く作られた感じがしない。
また、撮影現場について聞くと「本当にいい現場」と称し、「撮影は朝早くから夜遅くまでの連続ですが、テンポ感がよく全然無駄な時間がないし、雰囲気も良くて。いい現場に入れているのは、すごく幸せなことですね」と満面の笑みで答える。
息子・市川染五郎出演の大河ドラマと連続視聴「同じ時間じゃなくてよかった」
『マイファミリー』が放送されている同じ日曜には、20時から息子の市川染五郎が出演するNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』も放送されているが、「日曜の20時から22時までテレビを連続で見るのは、おそらく20年以上前に野球が中継されていたとき以来なので、すごく久しぶりです」と明かし、「基本、家族で見ています。ですが、染五郎は20時前になると、別の部屋に行って戻ってこないです(笑)」とニヤリ。
また、「先の放送のものを撮影しているので、染五郎に『えらいことになったよ』って言うと、『言わないで』『ダメダメ!』って言われました(笑)。
15日に放送される第6話では、阿久津は誘拐された娘・実咲を救うために奮闘するが、「阿久津の人間らしさがより出てくるので、そこは見ていただきたいです。僕は1話の台本を頂いた時、その展開(の早さ)に船酔いした感覚だったのですが、6話はそれが日常になるぐらいの大変な展開になっています」とアピール。公開されている予告編では、「再び訪れる驚愕のラスト…」とうたわれているが、はたしてどんなストーリーが紡がれるのか――。船酔いしないように見届けたい。(取材・文/高山美穂)
日曜劇場『マイファミリー』は、TBS系にて毎週日曜21時放送。