ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜22時)で長峰柊磨を演じているSixTONESの松村北斗が話題だ。本稿では、視聴者が“長峰柊磨”という男にひかれる理由を、本人のキャリアを振り返りながら考察する。
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俳優歴10年! 人気が急増したのは必然
現在放送中の『恋なんて、本気でやってどうするの?』(以下、『恋マジ』)や、4月に公開された映画『ホリック xxxHOLiC』への出演で脚光を浴びている松村の勢いが止まらない。特に2021年に放送された連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)での名家の跡取り息子・雉真稔役は、幅広い層の視聴者から「稔さん」と親しまれ、彼自身のキャリアにおけるターニングポイントとなった。
ここ最近の活躍が華々しい一方、実は松村の俳優歴は10年を超えている。舞台などの経験を経て、テレビドラマデビューを果たしたのは2012年のこと。現在、松村が所属するSixTONESが結成するきっかけともなった2012年放送のドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系)が始まりだった。
同作で松村が演じた浅田哲也は“最強にクールな男”というキャッチコピーを持つキャラクター。熱くストレートなヤンキーがそろう男子校・馬鹿田高校の中心メンバーでありながら、他のメンバーよりも言葉数が少なく、クールな浅田を、当時16歳の松村がリアルに演じていたのを覚えている。
その役以降、10代の頃はクールな役を演じることが多かった松村。実際『黒の女教師』『ぴんとこな』(どちらもTBS系)、『Piece』(日本テレビ系)という地上波ドラマでの役どころは、いずれも“クール系”とキャラ付けされるようなものだった。
しかし、2019年放送のドラマ『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)では、人当たりが良く、場の空気をパッと明るくするような子犬系男子・渡辺晴人を熱演。この役で松村は役者としての新たな一面を見せた。
以降、広がり続ける役幅を見ると、松村の努力家な一面を感じざるを得ない。
『恋マジ』での柊磨が“ヤバい”理由
そんな松村が『恋マジ』で演じるのは、女性の欲しがる優しい言葉を天才的に返すミステリアスで危険なギャルソン兼見習い料理人・長峰柊磨だ。
柊磨という役は、松村にとって新境地なように感じる。なぜなら、これまで気付いたらモテる、無自覚のうちに視聴者の心をぐっとつかむモテ男を演じてきた松村が、モテることを自覚したモテ男を演じているからだ。
注目すべきは柊磨に好意を寄せる女性たちとの距離の近さ。柊磨目当ての客であふれるレストラン「サリュー」に集まる客を、煙たがることなく、過剰なまでにもてなす。例えば、オーダーを取る時、椅子の背もたれに手を回しメニューを説明するなんて、モテを自覚していなくてはできない仕草だ。
また、1つ1つの仕草に色気があるのも柊磨の魅力。特に第4話ラストでの主人公・桜沢純(広瀬アリス)との30秒超のキスシーンは「ヤバすぎる!」「手の添え方が…」などとSNS上で話題になった。そのため、この柊磨のキャラクターをきっかけに、“俳優・松村北斗”が気になり出した人もいることだろう。
さらに柊磨という役が視聴者にハマる理由は、柊磨そのもののキャラクター性に加えて、松村本人とのギャップも挙げられるのではないかと推測している。
さらに加えるのであれば、ただチャラいだけではなく、実は仕事熱心で努力家で、誰に対しても思いやりがあるのが柊磨の魅力。来るもの拒まず、去るもの追わずがモットーの柊磨が見せる、誠実な一面は柊磨をより一層好きにさせるギャップだ。
物語もいよいよ佳境な『恋マジ』。最終回までに、松村はどんな柊磨を見せてくれるのか楽しみだ。(文:於ありさ)
ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』はカンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜22時放送。