櫻坂46の二期生として活躍する井上梨名、大沼晶保、守屋麗奈。井上は“二期生”として、大沼と守屋は“新二期生”として加入した経緯があり、加入時期のズレにより、当初は“同期でありながら気まずい関係”だったという。

しかし、グループの改名を経た新たな経験を通じて、互いの距離感は変化。今では「隣にいてくれるだけで安心する」ほどの仲になった。

 さらには、1stアルバム『As you know?』の活動で卒業する尾関梨香ら、一期生メンバーの卒業が相次ぐ中でも、「甘えてばかりはいられない」と強い結束力を見せる。インタビュー後編では、先輩メンバーの卒業にまつわる思いを聞いた(前後編の後編)。

【写真】「甘えてばかりはいられない」井上梨名・大沼晶保・守屋麗奈 撮り下ろしグラビア

■先輩の卒業が相次ぐ中でも「甘えてばかりはいられない」

――今年に入り、渡邉理佐さん、原田葵さん、尾関梨香さんと、一期生の卒業が相次いでいます。先輩たちの卒業には、何を思いますか?

井上:卒業はいつか来ることですし、誰にあってもおかしくないことですけど、先輩方の卒業セレモニーまでは実感が湧かないんです。でも、皆さんいろいろと考えた上での決断だと思いますし、見送る側としては、笑顔で見送りたいし「この先もお互い頑張りましょう」という気持ちです。

一期生さんは(改名前の)欅坂46時代から、私たちの知らない経験もたくさん積んできていて、それを二期生が補えるかと言うと違うと思うんです。私たち後輩にも背負うものがありますし、先輩方が背負ってきたものを少しでも感じながら、活動を続けていけたら。大人に甘えてばかりはいられないなって、最近は思います。

守屋:偉大な先輩方なので寂しいですし、卒業していく姿を見るたびに「この先、自分は大丈夫かな」と不安を感じています。でも、先輩方にずっと甘えているわけにはいかないし、二期生でもグループを強くしていきたい気持ちもあって。
自分たちにできるかなと思いつつ、私たちで背負っていきたいとも思っているし、寂しさと前向きな気持ちの両方を持っています。

大沼:1stアルバム『As you know?』の活動で尾関さんが卒業されますけど、実は、このインタビューの直前まで一緒にカレーを食べていて…(笑)。それなのに、こうして質問されるまで尾関さんの卒業を忘れていたほど、いまだに実感が湧いていません。

尾関さんは、100人の人がいたら120人が「優しい」と言うほど優しい方です! 以前、私の顔が曇っているように見えたのか、親身に相談に乗ってくださったことがあって。常に近くで一緒にいたわけではないのに、悩んでいた私を見てその日の夜に連絡を頂きました。「どこに目が付いているんだろう?」と思うほど、いつも私たちを見守ってくれているんです。常に温かったその背中を私たちも見てきたので、尾関さんのような先輩になりたいと思います。

――井上さんと守屋さんも、尾関さんに救われた経験があったのでしょうか?

井上:沼ちゃんと似た連絡を頂いたことがあります。たぶん、私も顔が曇ってたのかな…。その場で「大丈夫?」とか「どうしたの?」と声を掛けていただいたわけではなく、自宅へ帰ったあとに急に連絡をくださいました。尾関さんは、相談を受けながら「何かあったの?」と聞くわけでもなく、「無理しないでね」とか「いっぱいご飯食べてね」と言ってくださる優しさがあるんですよ。言いづらいこともたくさんあるんだろうと察してくださったのか、深掘りすることなく「何かあったら言ってね」という言葉を頂いて。
まさに落ち込んでいるタイミングでのことでした。

守屋:私は、加入初期で活動に慣れていなかった時期に尾関さんから連絡を頂きました。ふと「分からないことがあったら何でも聞いてね」とメッセージが来て。畏れ多くてまだしゃべったことがなかった時期でしたけど、「先輩から連絡してくださるんだ」という驚きとうれしさがありました。

井上:たぶん、二期生はみんな同じ経験をしていると思います。二期生のグループLINEで全員に温かい言葉を伝えてくれたこともあって。尾関さんは常に、後輩の私たちを気にかけてくれていました。

■新メンバー加入に向けた“理想の先輩”は?

――櫻坂46は新メンバー加入も決定しています。皆さんは、どんな先輩になりたいですか?

井上:私はたぶん「先輩!」みたいなタイプではないと思って(笑)。後輩のみんなに対して「かわいい!」となっちゃうので、愛でている未来が予想できるんです。先輩というよりは“ちょっと話しやすい年上のお友達”みたいに思われる方がいいのかなって。以前、先輩方が名字のさん付けではなく「◯◯ちゃんって呼んでほしい」と言っていた気持ちも分かるようになってきましたし、新メンバーには「梨名ちゃん」って呼んでもらいたいです(笑)。


守屋:先輩らしいことを言ったり、いいアドバイスはできない気がして。でも、何かを聞かれたらちゃんと答えたいです。先輩の一期生さんが驚くほど優しいので、自分もそんな先輩方のようになれたらと思います。

大沼:先輩になった自分は想像できなくて…。でも、実際に後輩の子たちが入ってきたら、同じ立場で一緒に過ごしたいし、困ったことがあったら全力で助けたいと思います。普段から、道ばたで困っているおじいちゃんやおばあちゃんに声を掛けられやすいタイプなので(笑)。新メンバーには、気軽に声を掛けてほしいです。

(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:上野留加)

 櫻坂46、1stアルバム『As you know?』は発売中。

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