現在放送中の連続テレビ小説『舞いあがれ!』も第4週に突入。今週から主人公・舞は大学生になり、これまで舞を演じてきた子役の浅田芭路から、福原遥へとバトンタッチされた。

東大阪を舞台に舞が浪速大学で人力飛行機サークル「なにわバードマン」で青春を過ごす姿が描かれるが、そんな舞の良き理解者となるのが、幼なじみの梅津貴司と望月久留美だ。演じるのは赤楚衛二山下美月。「新たな章の始まりです」という福原が、赤楚と山下を交え、作品の見どころや、息ぴったりの3人が蜜月トークを展開した。

【写真】幼なじみ役を演じる福原遥、赤楚衛二、山下美月 息ぴったり

■本当に幼なじみのような空気感

――いよいよ第4週が始まります。それぞれが大人になって、どんなキャラクターに成長しているかが分かると思いますが、演じる上でどんなことを意識されて臨みましたか?

福原:あまり大人になったからといって、大きく変わったなと思われないようにという意識はありました。これまで(舞の子ども時代を演じた浅田)芭路ちゃんが演じていた舞ちゃんをしっかりと受け継ぎたいと思っていたので、現場に見学に行って癖などを研究していたんです。

赤楚:僕はあまり子ども時代の現場には伺えなかったので、リハーサルなどで見たしゃべり方のニュアンスやイントネーションを真似したり、細かい部分は取り入れようと意識しています。貴司の持っている人間的な柔らかさや優しさみたいな部分はしっかり表現していきたいなと思っています。

山下:3人の中で久留美が一番子どものころから変わったのかなという印象がありますね。8歳でお母さんがいなくなってしまって、お父さんも仕事を辞めてしまった。学校でも孤立している中、頑張って生きている姿を見て、とても格好良くてたくましい子なんだろうなという印象が強かったです。大学生になって、アルバイトして自分でお金を稼げるようになったことで、強く明るくしっかり者の久留美ちゃんになっていったのかなと。
そういった背景は意識して演じています。

――共演者としてのチームワークはいかがですか?

赤楚:2人には助けられてばかりです。さっきも福原さんがお菓子を配ってくださって「よし頑張ろう」って気持ちになりました(笑)。

福原:毎回現場に行くと緊張してしまうのですが、2人に会うと安心感がすごいです。ご飯とかもたまに行ったりするのですが、思っていることを共有できたりする時間になっています。本当に幼なじみのような空気感でいられるのがうれしいですね。

山下:私は香盤表が届くと、最初に赤楚くんと遥ちゃんと一緒のシーンがあるのかチェックするんです。2人とも本当に忙しいと思うのですが、まったく疲れた顔を見せない。そんな姿を見て私も頑張ろうと思えるんです。実年齢では私は年下なので、見習うところや勉強になることもたくさんあります。この作品以外で2人がテレビとかに出ているとすごくうれしくて写真を撮っちゃうぐらい(笑)。

■山下からもらった手紙に号泣「今でも台本に挟んでいます」(福原)

――制作統括の熊野律時チーフ・プロデューサーが、福原さんは現場の中心で陽だまりのような存在だと話していました。


赤楚:会った瞬間構えなくていいんだと思える人でした。“陽だまり”という例えがピッタリ。気持ちが浄化される感覚です(笑)。ドラマの撮影も半年ぐらい経ちますが、どんなときでも「大丈夫です、元気です」って。大変だと思うのですが、しんどい顔を見せず、いつも笑顔。頼もしい存在です。

山下:台本を頂いたときにイメージしていた舞ちゃんにそっくりで、とても明るく元気な方だなと。温かくて優しいのですが、座長としてしっかり引っ張ってくれて、ずっとついていきたいと思える存在です。いつも笑顔で、一緒にいるとこちらも笑顔になれるし幸せになれるんです。

福原:私が笑顔でいられるのは、2人がいつも支えてくれるからです。こちらこそ本当に感謝しかないです。

――福原さんから見て、赤楚さんや山下さんと役柄の共通点はありますか?

福原:貴司くんは赤楚くんのまんまだと思います。
生き方は違うのかもしれませんが、いつも笑顔で優しいところは同じかなと。こんなに優しい人っているのかなっていうくらい優しいです。美月ちゃんは私の一方通行な思いかもしれませんが、舞ちゃんと久留美ちゃんとの関係性と似ていると感じます。本当の幼なじみみたいな感覚になることがたくさんありました。久留美ちゃんは舞ちゃんのことをよく知っていて支えてくれるのですが、美月ちゃんも私のことをとても支えてくれています。撮影から半年過ぎたぐらいに、美月ちゃんからお手紙をもらったのですが、その内容にもう涙、涙で。今でも台本にその手紙を挟んでいるくらい。本当に大切な友達ができたなと思っています。

■「アイ!マイ!まいん!」の現場で素を出すことができた

――これまでそれぞれの幼少期が描かれてきましたが、ご自身の幼少期とは似ていますか?

福原:家族には「リンクしているね」と言われます。このお仕事を始めたのが小学校1年生だったのですが、そのときは本当にスタッフさんの目も見ることができなくて、ずっと母の後ろにいて、とても人見知りだったんです。自分の意見も言えないような子でしたね。

赤楚:僕は似ていないかな。
どちらかというと貴司よりは、一太(舞が五島列島で出会った友達)に近い気がします。子どものころは竹林や森林公園など走り回っているような野生児だったので(笑)。

山下:私も小さい頃はめちゃくちゃ人見知りで、全然しゃべれない子だったんです。写真も笑顔のものが全然なくて。小学校に入ってからは、お母さんやお父さんに喜んでもらいたいから運動会を頑張ろうみたいに変わっていきました。そういう部分は久留美ちゃんとリンクする部分は多いのかなと感じています。

――子どもの頃、人見知りだったという福原さんですが、小学生の頃に出演していた『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』のまいんちゃんは明るく元気なキャラクターでしたが、結構ギャップがあったのですか?

福原:私も内面では、活発に遊びたいと思っている子だったのですが、なかなかそれがうまく表現できなかったんです。まいんちゃんの現場では、スタッフさんがしっかり打ち解けるように収録が始まる何ヵ月も前から、ゲームやいろいろな遊びをしてくださって、かなり気持ちが楽な状態で番組に入れたんです。そこで素が出せたというか、本当に楽しく収録に臨むことができたので、あれは本来の自分が出ていたんだと思います。

■福原・赤楚・山下はBFF!?

――東大阪が舞台の物語。3人とも関西出身ではありませんが、方言には苦戦していますか?

赤楚:難しさは感じていますが、撮影が終わる頃には、大阪弁のアドリブができるようになっていたいねという話はしています(笑)。

山下:関西の方って、一文字伸ばすような感じがして…。
例えば私は第4週で「新しいバイトの子ーです」というセリフをアドリブで言ったのですが、普通だと「バイトの子です」じゃないですか。あのセリフを言うのに、めちゃくちゃ緊張して、すごく手汗をかいたのを覚えています。

福原:やっぱり難しいです。イントネーションが合っていても、スピードや間の取り方によっては、全然関西弁に聞こえなかったりするので。指導していただきながら撮影しています。

――お話を聞いていると、本当に気が合う幼なじみのような3人だなと感じますが、お互いどういうところが一緒にいて居心地がいいのですか?

赤楚:仕事への向き合い方が好きです。熱心だし、相手のことも考えてくれる。純粋にそれぞれが相手のことを応援している。仲良くなれて良かったなと思っています。

山下:私はニュースとかSNSを見ていて、2人のことが出ていると絶対見ちゃうし、2人ともとても忙しいだろうから、すごく心配にもなっているんです。2人の活躍が自分のことのようにうれしいと思えるってすごいことですよね。2人とも絶対健康で長生きしてほしい!

福原:私も2人には絶対に幸せになってほしい。


山下:おばあちゃんになっても、老人ホームとかで遊びたいね。

赤楚:老人ホームでカードゲームやろう! もうBFFだね。

福原・山下:BFF?

赤楚:ベストフレンドフォーエバーです。

福原・山下:(笑)

(取材・文:磯部正和)

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』はNHK総合にて毎週月曜~土曜8時ほか放送(土曜は1週間を振り返り)。

編集部おすすめ