小栗旬が主演を務める大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合ほか)が、佳境に差し掛かっている。最終回に向けますます目が離せない本作だが、今週から“本日活躍しそうな〇〇殿”を毎週1人紹介。
【写真】源仲章を演じる生田斗真の“イヤ~な表情”を見よ 今夜放送『鎌倉殿の13人』第44回場面カット
本日第44回「審判の日」の放送を控える大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合ほか)。先週放送の第43回「資格と死角」では、第3代将軍・源実朝(柿澤勇人)の後継者問題に揺れる鎌倉が描かれた。鎌倉殿になることに強い野心をのぞかせる公暁(寛一郎)、それを後押しする三浦義村(山本耕史)。一方、実朝は後鳥羽上皇(尾上松也)に相談し、後継ぎを京から迎え入れるという約束を取り付ける。断固反対の意思を見せる北条義時(小栗旬)たちだったが、後鳥羽上皇の皇子を後継ぎにするという事実に、宿老たちもぐうの音も出ない。そんななか、実朝―後鳥羽上皇というラインによって大きく浮上してきたのが、源仲章だ。
仲章は後鳥羽上皇の側近として、実朝に取り入った人物。初登場となったのは第31回「諦めの悪い男」。源頼朝の異母弟・阿野全成(新納慎也)の遺児・頼全(小林櫂人)誅殺シーンに立ち会った仲章はしかめっ面を見せ、坂東武者をはじめとする武士の存在の粗暴さをさげすんだような表情が印象的だった。さらに実朝の和歌の教育係として“雅”風な印象を植え付けたと思えば、本作では和田の乱に発展するきっかけとなった謀反事件に関与したという信濃国の武士・泉親衡の正体が仲章という解釈をし、その存在自体の謎を深めた。
そんなつかみどころのない仲章だったが、実朝が将軍として自らの意思を持ち始め、京との関係を深める動きを見せると態度は増長。
■第43回「資格と死角」では、執権・義時に対して、仲章の本性があらわに…。
仲章が「頼仁親王さまが鎌倉殿になられたあかつきには、この源仲章がいわば関白として支えまつりごとを支えていく」と宣戦布告すると、義時は「決まっているような言い方ですな」とけん制。しかし仲章は満面の笑みを浮かべ「朝廷と鎌倉を結ぶ役割に私より適任の者がいれば教えてくれよ」と得意顔になると「執権殿は伊豆にでも帰られ、ゆっくり余生を過ごされよ」と発言。
義時が「兼ねてから望んでいることでした」と表情を変えず言うと、仲章は「私が執権になろうかなあ」と何とも嫌らしい顔で高笑いし挑発する。
この生田の表情に、SNS上では「斗真くんは好きだけれどとにかく腹が立つ」「何とも嫌らしい顔!」「仲章の煽り顔がムカつく!」「生田斗真が演じていることを忘れるぐらい嫌な奴に仕上がっている」と憎まれ役としては最高の誉め言葉が並ぶ。
さらに仲章は、義時の妻であるのえ(菊地凛子)の前に、きらびやかな演出で登場。「執権殿の奥方でいらっしゃいますね」と笑顔を見せると、桜を見ながらいい雰囲気になるなど、今後の展開にいろいろな含みを持たせる活躍を見せた。
第44回「審判の日」では、右大臣に叙されることとなった実朝の鶴ケ丘八幡宮での拝賀式に臨む御家人たちの思惑が描かれる。予告編では、自身が鎌倉殿になれないと分かった公暁の怒り、公暁を鎌倉殿にすることで、一族挽回を図る三浦義村(山本耕史)の策略、そして周囲から義時を追い詰めようとする仲章の行動など、実朝を取り巻くきな臭い人間模様が想起させられた。余裕しゃくしゃくの仲章がどんな顛末を迎えるのか――。生田の演技と共に注目したい。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』はNHK総合にて毎週20時放送。BSプレミアム、BS4Kにて18時放送。