未来の法曹界を担う若者たちが通うロースクール(法科大学院)を舞台にした1月9日スタートのドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系/毎週月曜21時)で共演を果たした、北川景子山田裕貴。法だけではなく“人”を学ぶ授業を展開する柊木雫(北川)と、超が付くほどの合理主義者で変わり者の藍井仁(山田)という、真逆の指導理念を掲げてぶつかり合う関係性を表現する2人が、息ぴったりに共演の感想を明かした。



【写真】凛とした法服姿も美しい北川景子

■北川景子は“真っすぐさ”を大切に 山田裕貴は自前の雪駄で役作り!

――北川さんにとって月9ドラマ初主演となった本作は、裁判官の主人公・柊木が、実務家教員としてロースクールへ派遣されてきたことから始まる物語です。演じる柊木の印象を教えてください。

北川:オリジナルの作品でもありますし、クランクイン前はどう演じていけばいいのだろうと心配もありましたが、衣装合わせで身に着けるものが決まったり、実際に現場に入って生徒役の方々とお芝居をしていく中で自然と生まれたものが、徐々にキャラクターとして成立してきたなという実感があります。今では心配していた気持ちはなくなり、この方向性で演じていけばいいんだと掴めたものがあります。柊木は明るくて前向きで、熱血。生徒たちからはちょっと鬱陶しいと思われるような人ですが(笑)、真っすぐさを大切に演じていきたいなと思っています。

――山田さんが演じるのは、司法試験に必要なノウハウを教えること以外に興味がない、他人に対しても無関心という、一筋縄ではいかない役どころです。

山田:東大法学部在学中に司法試験に合格した天才であり、変わり者。リアルさを保ちつつ、その設定を保つためにはどのように表現したらいいのだろうかと考えました。衣装合わせに臨んだときには、ビチビチにカッコつけたスーツや和を意識した服などいろいろなタイプのものが並んでいて、「どうしましょうか」というところから始まって。いろいろと話し合い、ボサボサの髪に和服の羽織、僕が普段履いている雪駄を合わせるのがいいのではないかという結論になりました。藍井は人と目を合わせないので、お芝居をする上で北川さんももしかしたらやりづらいのでは…と思うのですが、変わり者であってもしっかりとリアルさを表現したいなと思っています。


――演じる役柄に共感する点はありますか?

北川:私はすごく食べることが好きで、思い悩んだときや落ち込んでいるときにも、まず食べないと元気が出ないし、いい考えが浮かばないんです。柊木もよく食べるキャラクターで、ガッツリとトンカツを食べたり、甘いものも好きでお団子を食べたりもします。また柊木はウソをつかずに、まっすぐ相手に向き合うキャラクター。そういったところは、私も似ているのかなと感じています。

山田:藍井ほど頭が切れるわけではないですが、僕も物事を深く考えたりすることが、すごく好きなんです。俳優も、人について深く考える職業ですしね。そういった点では似ているのかなと思います。でも僕は、藍井のように冷酷ではないと思っています(笑)。

■「頼りにしています!」(北川)「北川さんの力になりたい」(山田)

――共演の感想を教えてください。

北川:これまで山田さんが出演された作品もいろいろと拝見していますし、バラエティでお話しされている姿を見ても、とても頭のいい方なんだなと感じて「いつか絶対にご一緒したいな」と思っていました。クランクインした当初は生徒たちとの撮影が続いていたので、私自身「若いキャストさんにも気を配らなきゃ」とガチガチになっていたんですが、山田さんが現場に入ってきてくれて気持ちがとても楽になりました。本読み(脚本の読み合わせ)でお会いしたときも、山田さんがいらっしゃると一気に空気が変わるので「さすがだな」と。
現場でもいろいろとお話をさせていただいてとても楽しいですし、頼りにしています。役柄は反目していますが、山田さんがいるとすごく心強いです。

山田:ありがとうございます(照)。そんなふうに思ってくださっていたなんて、なんだかとても安心しました。お芝居の中でも安心して、柊木に藍井をぶつけていきたいです。僕はこんな感覚だとダメだなと思うんですが、「うわ、すごい!テレビで観ている人だ!」と思って(笑)。北川さんは長年第一線で活躍されているので、どんなことを考えてお仕事に取り組んでいるんだろうと気になりつつ、僕もちゃんとお力になれたらと思っています。北川さんは、相手を緊張させる雰囲気がまったくない方で、最初はそのことに戸惑いを覚えたくらいで…(笑)。とても気さくに話しかけてくれて、気持ちが楽になりました。

北川:山田さんは、藍井を演じる上で台本には書いていないようなこともいろいろとやってくれるんですよ。グミをたくさん食べていたり、椅子の上にしゃがんでみたりと、「次は山田さんがどんなことをしてくれるんだろう」とすごく楽しみです。

■北川景子、母になって変わったことを告白

――司法試験に合格した場合、弁護士、裁判官、検察官になる道があります。
お二人がもし法曹三者の道に進んだ場合、どの職業に就いてみたいですか?


北川:どれもなれないけれど…なりたいなと思うのは検察かな。これはもう完全に『HERO』の影響ですね。久利生検事ってとてもカッコよかったじゃないですか(笑)。巨悪に対して、ひるまず強く立ち向かっていくところもカッコいいなと思います。また本作を通じて法曹三者のお仕事を知る中で、正しい・正しくないを判断するときには、いろいろな角度、方向から光を照らしていくことが大事なんだなと感じています。

山田:僕には、有罪・無罪が決められないと思うので、なれるとしたら弁護士の道を選びたいです。とても難しいことですが、事件に関わったことで、心の傷を抱えた人の弁護をできる人。誰かが本当の意味で救われるような弁護ができる人に憧れます。

――藍井は極端な合理主義者で、“効率”を重視する人物です。お二人はいかがでしょうか。

北川:10代、20代は、「それって効率が悪い」など効率のことばかり考えて生きてきたので、今そこを直そうとしているところです。子どもができたことも大きいのかもしれません。
汚れるし、そのあと大変かもしれないけれど、子どもがやってみたいと思うことはやらせてみようとか、本当は一回で食べてくれたほうが、食器を洗うのも一度で済むけれど、今はお腹が空いていないとしたら、もう少し時間を空けてまた試してみよう…とか、効率だけでは動けないんだなと思うことがすごく増えて。子どもが生まれてから、効率に対する考え方が大きく変わりました。最近はよく、効率がよくなくてもいいのかなと思うようになりました

山田:多くの人が関わる場合には、効率よりも協調性を大事にしています。ただ自分の予定となると、無駄を省く、効率人間です。1日空いていたとしたら、整体に行って、酵素風呂に行って…などその日に予定が詰められるようにものすごく組み立てたりします。あと昨日はお肉ばかりを食べたから、次の日は野菜しか食べないとか。

北川:極端(笑)!

山田:そういうところは、藍井と似た部分があるかもしれません(笑)。

(取材・文;成田おり枝)

 ドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』は、フジテレビ系にて1月9日より毎週月曜21時放送(初回30分拡大)。

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