神奈川県・横浜アリーナで26日、5日間にわたる乃木坂46のデビュー11周年記念公演「乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE」が閉幕した。最終日“DAY5”の公演「秋元真夏 卒業コンサート」では、1万2000人の観客を前にトリプルアンコールを含む全28曲を披露。
【写真】秋元真夏が涙…「秋元真夏 卒業コンサート」ステージフォト(18枚)
東京都の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」変更に伴い、22日の初日公演からマスク着用の条件で3年ぶりに客席の“声出し”を解禁。オープニングでは秋元の加入11年半を振り返るVTRを投影し、ともに流れる「OVERTURE」のメロディに会場の大歓声が重なった。
壮大なBGMとともに、外周を練り歩きメインステージへ集結した各メンバー。最後、秋元がステージ中央から登場すると、場内には大歓声が響いた。
加入当初に学業を理由に活動休止し、2012年10月にグループへ復帰した秋元。自身でセットリストを考案したという卒業公演のパフォーマンスは自身の活動休止中にリリースした1stシングル~3rdシングルまでの表題曲「ぐるぐるカーテン」「おいでシャンプー」「走れ!Bicycle」でスタート。続く秋元が初参加した4thシングル表題曲「制服のマネキン」では、リリース当時を彷ふつとさせるセーラー服姿で躍動し、「ガールズルール」「太陽ノック」とたたみかけた。
最初のMCは、22日公演で秋元からキャプテンを引き継いだ3期生の梅澤美波が進行。秋元が「後輩との思い出」を作りたいと願った次のブロックでは、5期生曲「バンドエイド剥がすような別れ方」、4期生曲「ジャンピングジョーカーフラッシュ」、3期生曲「僕の衝動」を、後輩メンバーと共に披露した。
思い出深い後輩たちと「歌いたい」曲を選んだというユニット曲のブロックでは「口約束」「ごめんねスムージー」を披露。「かわいいだけではない姿」もたくさん見てほしいと語った「魚たちのLOVE SONG」では、秋元と3期生の山下、4期生の筒井あやめが“海洋生物”の着ぐるみを着用し、曲中で合流した“カマキリ”にふんする4期生の黒見明香と共に、4人でシリアスな表情のパフォーマンスを展開した。
アンダーメンバーへの思いを込めた「涙がまだ悲しみだった頃」「Against」を披露し、本編は後半戦へ。代表曲「インフルエンサー」「シンクロニシティ」などを立て続けに披露し、梅澤と“新旧キャプテン”同士でのパフォーマンスを展開した「忘却と美学」では互いに目を合わせ涙。続く「大嫌いなはずだった。」は、3月28日に卒業を控える”最後の2期生”の鈴木絢音と2人で歌い上げ、曲中では涙を浮かべる鈴木が秋元に「今まで本当にありがとうございました!」と感謝しながら花束を手渡す一幕があった。
MCでは、ステージに1人残った秋元が「メンバーにメッセージを」とスピーチ。「11th YEAR BIRTHDAY LIVE」内で23日~25日に行われた5期生~3期生の期別ライブを鑑賞したことを明かし「最後の1期生だけど、卒業するのがもう何の不安もないくらい、頼もしい後輩たちに囲まれていたんだなとすごく感じた3日間でした」と振り返った。
グループは「メンバーによって歩んできた歴史は違うけど、その間にたくさんの困難とか、不安なこととか、いっぱい思い出したらあったはず」とした秋元は、「そんなことも乗り越えてきたからこそ、今の乃木坂46があると思っているので、そこまで乗り越えてきた経験がしっかりみんなにはあるから。絶対大丈夫だなって、私は思います」と、後輩メンバーへの思いを語った。
この先は「1期生、2期生が卒業して、新しい乃木坂として歩んでいきますけど、そんなみんなに新しい目標を見つけて、みんなでそこに向けて走っていってほしい」と願いを込める秋元は、「(後輩メンバーは)年齢が下だし、乃木坂としての歴も私より短いけど、本当に尊敬できる後輩たちに囲まれながら活動できていたんだなっていうのが、本当に幸せだなと今日、思いました」と吐露。「世代交代が難しいと言われてる大人数のアイドルグループですけど、乃木坂はちゃんと世代交代ができたんじゃないかなって、自信を持って言えます」と話すと、客席からは盛大な拍手が沸き起こった。
秋元が「一番好きな曲」と語った「ひと夏の長さより・・・」で本編は終了。アンコールを待つ客席は、秋元のメンバーカラーである“赤”と“ピンク”の光に染まり、観客は「秋元!」「真夏!」と叫び続けた。
秋元の軌跡を振り返るVTRでは、同期で卒業生の高山一実、松村沙友理、西野七瀬、白石麻衣、生田絵梨花、初代キャプテンの桜井玲香の6人が、順番にメッセージを贈る。
卒業生からのVTRのメッセージに涙し「ありがとう」とつぶやいた秋元は、「同期がいっぱい卒業していて、卒業というものを見送ることは誰よりも経験してきているはずなのに、今こうして自分の番が来るとすごい味わったことのない感情になるんだなっていうのを実感しています」と吐露した。
オーディション当時を振り返り「今こうして11年間、同じグループで活動して、そこを旅立つ日にアイドル人生を振り返ると、高校3年生の18歳のときの私、オーディションを受けるって『よくやったな』って言いたくなるぐらい、本当にここに入ってよかったなと思います」と述べる秋元は、活動を支えていた家族、スタッフ、ファンへの感謝を述べた。
ステージ初披露となった秋元“最後”のセンター曲「僕たちのサヨナラ」では、寄り添う後輩メンバーと涙。全員で客席間の通路を練り歩いた“真夏さんリスペクト軍団”のユニット曲「2度目のキスから」の披露後には、後輩メンバーも秋元へ涙を浮かべながら惜別の言葉を贈った。
2022年2月に新加入した5期生の菅原咲月は「次にお会いするときに、絶対何倍も成長した姿を真夏さんにお見せできるように頑張りたい」と意気込み、4期生の賀喜遥香は「助けていただいた大切な言葉がすごい心にいっぱい残っているので、これから先もその言葉を大切に持ちながら、乃木坂46を守っていきたいなって思います」と涙ぐみながら語る。3期生の久保は「乃木坂がこんなに温かいグループで居続けられたのは、真夏さんがいてくれたからです。これからは、そんな真夏さんみたいな優しさをもって、後輩たちと一緒に乃木坂をもっともっと強くしていけるように、3期生も頑張ります」と、決意を示した。
後輩たちの言葉を受け取った秋元は、メンバーそれぞれへ手紙を書いたというが、代表して3代目キャプテンの梅澤への思いを吐露。「本来ならばまだ自分のことでいっぱいいっいのはずなのに、今の頼もしい3期生の姿があるのは加入当初から土台を築いてくれた梅のおかげなんだろうなとって、振り返るとすごく感じます」と語る秋元は、自身の経験をふまえて「キャプテンだから『ああしなきゃ』『こうしなきゃ』って思いすぎなくて大丈夫です。梅自身が持っている性格と土台がある時点で、きっとはたから見たらもう十分すぎるくらいやってくれているし、ちょっとのことではその信頼は崩れません」と梅澤を称賛。
後輩をねぎらい「キャプテンには、どうしても踏ん張らなきゃいけないときがあります。
アンコールの最後を飾ったのは、グループの名前を冠した「乃木坂の詩」。メンバーと観客が手にしたペンライトの光でグループカラーの“紫”に染まった会場では、秋元が「みなさんも一緒に歌ってください!」と鼓舞。曲中で「11年間本当にありがとうございました!」と感謝を伝えた。
全ての曲を終え、梅澤が「何かやり残したことはないですか?」と尋ねると「必殺技やってなかったなと思って…」と話した秋元は、メンバーとして最後の決めポーズ「ずっきゅん!」を披露。「まなつさん大好き」とイラスト付きで描かれたプリントを掲げる客席を前に秋元は声を震わせ、「ここまで支えてくださってありがとうございました。これからも乃木坂46の応援をよろしくお願いします!」と語りステージをあとにした。
終演かと思いきや、観客の冷めやらぬ熱意によりダブルアンコールに突入。客席間を練り歩きながら「ハウス!」を披露した。ステージで「やりきったっていう感じです」と晴れ晴れとした表情を浮かべる秋元。
最後は、“異例”なトリプルアンコールとしてこの日2度目の「ガールズルール」を披露。冒頭では秋元が「横アリー、最後まで盛り上がっていくぞー!」と鼓舞した。すべてのパフォーマンスをやり切った秋元は「みなさん今まで本当にありがとうございました。これからも乃木坂をよろしくお願いします!」と強くアピール。ステージでメンバーと共にあいさつし、笑顔のままステージをあとにした。
「乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE」DAY5「秋元真夏 卒業コンサート」のセットリストは、以下の通り。
OVERTURE
M1:ぐるぐるカーテン
M2:おいでシャンプー
M3:走れ!Bicycle
M4:制服のマネキン
M5:ガールズルール
M6:太陽ノック
M7:バンドエイド剥がすような別れ方
M8:ジャンピングジョーカーフラッシュ
M9:僕の衝動
M10:口約束
M11:ごめんねスムージー
M12:魚たちのLOVE SONG
M13:涙がまだ悲しみだった頃
M14:Against
M15:インフルエンサー
M16:シンクロニシティ
M17:好きというのはロックだぜ!
M18:帰り道は遠回りしたくなる
M19:最後のTight Hug
M20:言霊砲
M21:忘却と美学
M22:大嫌いなはずだった。
M23:ひと夏の長さより・・・
EN1:僕たちのサヨナラ
EN2:2度目のキスから
EN3:乃木坂の詩
WEN1:ハウス!
TEN1:ガールズルール