連続テレビ小説『舞いあがれ!』でヒロインを支える心優しき幼なじみを持ち前の真っすぐさで好演した俳優の赤楚衛二山田裕貴が主演を務める金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系/毎週金曜22時)で新たに挑むのは、熱血漢で男気のある若き消防士役という、赤楚のパブリックイメージとも近い、気持ちの真っすぐさが魅力のキャラクターだ。

ハードなロケも多い本作でのこだわりや、共演の山田、上白石萌歌について話を聞いた。

【写真】想像を絶する困難に顔を曇らせる姿も魅力的! 赤楚衛二、正義感あふれる消防士を好演

◆自分の役に対する軸を持っていないと流されてしまう―難役挑戦に話し合いを重ねる

 本作は、同じ電車に偶然乗り合わせた見ず知らずの乗客たちが突如、前代未聞の出来事に巻き込まれ、電波が通じないうえに水も食料もない極限下で懸命に生き、元の世界に戻ろうとする姿を完全オリジナルで描く、予測不能のサバイバルエンターテインメント。赤楚が演じる消防士・白浜優斗は、予想だにしない状況に置かれても正義感にあふれ、優しく周囲を気遣いリーダーシップを発揮するという役どころ。

 台本を読んだ時の感想を尋ねると、「CGの部分もあったりするのですが、最近の技術は本当に素晴らしいので、そこに対する心配はまったくなかった」そうだが、「乗客で集まって話し合ったり、動いているところは難しいんだろうなって思ってました」と明かす。「この状況の時には誰に向けて話しているのかとか、本当にみんな1人1人自分の役だったらどうするのかという“軸”をちゃんと持っていないと、流されてしまったり、ただのオーディエンスになってしまう。そういうバランスがすごく難しいんだろうなって思いながら読んでいました」と振り返る。撮影に入ってからも難しさを感じているが、「立ち位置などでも印象が変わってきますので、監督やキャストの皆さんとよく話し合って」乗り越えているとも。

 演じる優斗は、「過去にある経験をして、何があっても人の命を助けたいって思うんです。生徒会長みたいな人物ですね」と解説。「過去の出来事というのが衝撃的で、このトラウマがあるからいろんなことに関わろうとして、気持ちが先行してしまうんだろうなって」とその行動にも理解を示す。

◆極限下のサバイバルで発揮できる能力は「空気を読もうと心がけ、秩序を保とうとする」 

 今回共演する山田裕貴、上白石萌歌とはともに初共演だが、ロケを通して早くもいい関係性が出来上がっている様子。「僕の役が一番しっかりしてないといけないんですけど、足場の悪いところでよく転ぶというか滑ります(笑)。
足元滑っても何事もなかったようにお芝居を続けて、『おい、消防士!』って突っ込まれたり」と楽しそう。

 劇中では真逆な性格で対立することも多い山田裕貴については、「周りの年上の方たちから“熱くていい方”と聞いていまして。実際にお会いすると、本当にそのまんま」とイメージ通り。「(山田が演じる)直哉の持っている、人見知りにつながる部分もありつつ、根は割と(赤楚が演じる)優斗に近い部分も。直哉自身の奥行きみたいなものもあって、山田くんの中身をもっともっと見てみたい」と感じている。

 一方の上白石については「ドラマなどを観させていただいて、割と最近見たのがコメディチックな作品だったこともあり、面白い方なのかなって思っていたらそのまま面白い方で」と印象を語る。「現場ではボケたり突っ込んだりして、ギャップじゃないですけど、もっとその面白さを楽しんでいきたいなって思います」と、それぞれから刺激をもらっている。

 本作で、登場人物たちはある日突然極限下に置かれてしまうが、赤楚自身は「すぐ脱落する自信あります」ときっぱり。「撮影現場でも花粉にやられていましたし、難しいですね。山田くん、萌歌ちゃんとの3人だったら一番に脱落します」と笑う。
 
 そんな極限下に置かれた集団の中ではどう行動するか聞くと、「空気を読もうと心がけます。しゃべりかけないでオーラを出している人にはしゃべらないですし、協力してほしそうな人には協力します。
“我が!我が!”ってなっちゃうと争いになってしまうので、秩序を保とうとしますね」との答えが返ってきた。

 山田が演じる直哉をはじめ、さまざまな事情や背景を抱えた周囲の思いが交錯する中、なんとか元の世界に戻ろうと奮闘する優斗。今後、優斗の過去のトラウマが明らかになるにつれ、どんな赤楚の新しい顔が見られるのか、期待が高まる。(取材・文:編集部)

 金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』は、TBS系にて毎週金曜22時放送。

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