日向坂46・藤嶌果歩、正源司陽子は共に四期生楽曲のセンターを務めた2人。藤嶌は最新10thシングル「Am I ready?」収録の「見たことない魔物」、正源司は前作9thシングル「One choice」収録の「シーラカンス」の中心を担った。
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■MV撮影を通して「今しかできない青春を味わった」
――インタビューの前に撮影をさせていたただきましたが、写真撮影は慣れてきましたか。
藤嶌:私はグラビアの撮影、一番好きかもってくらい大好きで。いろんなところに行けるのが楽しいです。
正源司:私はカメラへの苦手意識が強くて。でも撮影自体はすごく楽しくて、葛藤があるといいますか。楽しいけど、苦手みたいな。
――思ったようにうまくできない?
正源司:うまくできなくて、研究中です。
藤嶌:え~、すごい好きです、陽子の写真。
正源司:本当? うれしい。
藤嶌:よく見てます。
――ではこれからどんどん研究の成果が。
正源司:頑張ります!
――期待しています。まず10thシングル「Am I ready?」収録の四期生楽曲「見たことない魔物」についてお聞きしたいのですが、楽曲を頂いたときの印象は?
藤嶌:曲の始まりのインパクトがすごく強くて、爽やかだけど、どこか懐かしさがあるようなメロディで。耳に残る曲で、初めて聴いたときからずっと好きです。
――ザ・夏曲という感じですよね。
藤嶌:聴いたときにキラキラした景色が浮かんで、すごくうれしかったです。
正源司:私は最初に音源を頂いたときに、爽やかで背中を押されるような曲だとまず感じて。歌詞も、自分の恐れるものや、苦手や不安に思うことにどう立ち向かっていくかという、メッセージ性のある曲で深いと思いました。MVも、学生の青い思い出のようなものが色濃く出た楽曲だと思います。
――MVの撮影では安藤隼人監督から「とにかくはっちゃけちゃって!」とお願いされたそうですね。撮影はいかがでしたか。
正源司:楽しかったよね。
藤嶌:楽しかったっていうのが一番に浮かんできます。カメラが回っていない合間の時間でも、メンバー同士でじゃれあったり、歌ったり、コールしたり。そういうエネルギッシュな感じが映像に出ているくらい、はっちゃけて撮影できました。
――コールというのは?
正源司:ライブで「見たことない魔物」を披露したときに、おひさま(日向坂46ファンの愛称)の皆さまがどこで「オー、ハイ!」ってコールするのか予想して(笑)。
藤嶌:みんなで「ハイ! ハイ!」ってジャンプしたり、掛け声を上げながら撮っていました。やってって言われたわけでもなく、自然にそうなっていて。そういう空気感で撮影できたことは、すごく良かったなって思います。
――若さが溢れていますね。
藤嶌・正源司:あははは(笑)
――正源司さんはいかがでしたか。
正源司:私たちフロント3人(藤嶌、正源司、宮地すみれ)は、プールに飛び込んだり、3列目のみんなは天気雨の中ではっちゃけて踊ったりしたんですけど、撮影が終わって楽屋に帰ってくるとみんなびっしょりで。それがすごく面白くて、「いま自分は青春しているんだ」と思うことができて、幸せなひとときでした。
――制服を着たままプールに入るのは大変そうです。
正源司:制服を着て学校のプールにこっそり飛び込むのって憧れだったので、3人で飛び込んだ瞬間、爽快感もあってすごく楽しかったです。
――大変さより、楽しさが大きかった?
正源司:はい、楽しくて、みんなで水掛けあって、ほぼすっぴんで(笑)。青春を、夏を感じながら3人で踊れたのが幸せでした。
藤嶌:私たちは地元の高校も途中で東京に来て、アイドル活動を始めたので、青春らしい青春を味わうことがなくて。でもこうして何かの縁で集まった同期と撮影を通して、今しかできない青春を味わうことができたのが一番うれしかったです。
――なるほど。ちなみに、藤嶌さんは以前、日向坂46の公式サイト「四期生のぽかぽか写真館」で公開されたインタビューで次のように話していて。ちょっと読ませていただきますけど。
藤嶌:恥ずかしい(笑)
――(読む)小学生の頃に乃木坂46さんの雨の中でのライブ映像を観ているとき、「私は癖っ毛だから、こんなに水浸しになったら大変なことになっちゃうので、絶対にアイドルにはなれないや」と…。
正源司:被ってたけど(笑)。潜ってたけど(笑)
藤嶌:そうですね(笑)。
正源司:そこ? そこなんだ?
藤嶌:でも実際やってみると、全く気にならなくて。髪の毛へにょへにょになっちゃったけど(笑)
正源司:藤嶌から、「潜っちゃう? 泳いじゃう?」と言ってて、すごいノリノリでした(笑)。
藤嶌:こういう状況になったら、全てどうでもよくなるんだなって初めて気付きました(笑)。ただただ楽しい気持ちでいっぱいでした。
■センター経験で変化「日向坂のために」
――本作では、藤嶌さんが初のセンターを務めています。決まったときはどんな気持ちでしたか。
藤嶌:センターって初めて知ったときは、自分の改善点ばかり浮かんじゃいました。まだアイドルとして足りない部分ばかりなので、「ここをもっとこうしなきゃ」って次々に自分の課題が。もちろんうれしい気持ちはあるんですけど、現実的に受け止めたというか、自分がやるべきことがひたすら頭の中に浮かんできました。
――例えばどんなことが浮かびました?
藤嶌:すぐに思ったのは、もっとダンスパフォーマンスに力を入れなきゃとか、もっと食事面に気を付けなきゃとか。
――そうした課題を抱えながら、実際に制作やMV撮影に取り組んでいかがでしたか。
藤嶌:センターというポジションを経験して成長できたかどうか、今はまだ全然分からないんです。ただこれからツアーも始まって、皆さんの前で披露させていただく中で、いずれ数年後とかに「あの頃はああだったなとか」って思い返せるような期間になっていたらいいなって思います。
――そんな中でも、現時点で少しでも変化は?
藤嶌:何だろう…でもアイドルとしての意識、センターとしての意識は少しずつ高まってきたのかなとは思います。何をするにしても、「日向坂のために」と思うようになりましたし、ちょっとずつ変わってきたのかもしれません。
――前作の四期生曲「シーラカンス」では、正源司さんがセンターを務めましたが、正源司さんからアドバイスをもらったり、話したりはしましたか。
藤嶌:アドバイスというより、「大丈夫?」とか「不安なことはない?」っていうメンタル面でのサポートをしてくれて、すごくうれしかったです。
――どういう時に声を掛けてくれました?
藤嶌:私はダンスが苦手なので、レッスン中に暗い顔になっちゃうことが多いんですけど、そういう時にすぐに声を掛けてくれました。
――正源司さんはどんな気持ちで?
正源司:自分がセンターを務めさせていただいたとき、不安や重圧を感じる部分はあったんですけど、私は人に思いを打ち明けるのが苦手で、悩んでいたこともあったんです。だからもし藤嶌が何か悩みがあるのなら、同い年というのもありますし、少しでも力になって、悩みや不安な気持ちが解消されるといいなという気持ちでした。
――正源司さんは、前回センターを務めて、学んだことや得たことはありましたか。
正源司:やっぱり同期のみんなのありがたさ、横に並んだときに必ずいてくれるっていう存在をすごく感じることができました。
――ちなみに今のところ四期生の皆さんは、表題曲への参加はまだですが、表題曲への思いは?
藤嶌:今日リハーサルがあったんですけど、先輩方がゼッケンを着て集合している姿を見て、何だか本当に「先輩だ」というのをすごく感じて。四期生と先輩方が同じ鏡に映ったんですけど、やっぱり先輩方って雲の上の存在だと感じたんです。今のままでは到底及ばないなっていうのが現状なので、もっと先輩方に追いつけるように努力を重ねていきたいです。
正源司:私も同じで、まだ加入して間もないと言っても、やっぱり差をすごく感じてしまって。先輩方は表現力もダンスのスキルも、他方面において本当に経験を重ねてこられたんだと感じるような方々で。四期生もいつか表題に参加させていただいて、先輩方と一緒にお仕事や、パフォーマンスする機会も増えたらうれしいですけど、今のままだと難しい。もっと頑張らないとって思います。
(取材・文:編集部 写真:上野留加)
日向坂46 10thシングル「Am I ready?」発売中。
【インタビュー後編】日向坂46・藤嶌果歩、正源司陽子 加入からまもなく1年 苦しいときも支え合う「同期」の存在 へ続く