フジテレビで約54年ぶりに復活する“金曜9時”のドラマ枠で10月13日よりスタートする、ムロツヨシ主演『うちの弁護士は手がかかる』。本作で、ムロ演じる新米パラリーガルとタッグを組む新人弁護士を演じるのが、アーティスト・平手友梨奈だ。

『ドラゴン桜』『六本木クラス』と、俳優としても唯一無二の存在感を放ち、着実に進化し続ける平手に、新境地ともいえる本作への思いや、現場の様子を語ってもらった。

【写真】平手友梨奈のオーラに魅きこまれる! インタビュー撮り下ろしショット

◆意見やアイデアを求めてくれるムロツヨシや監督の温かさがうれしい

 今作は、ムロ演じるスター女優を育てた芸能事務所の元敏腕マネジャー・蔵前勉が、平手演じる超エリートなのにどこか不器用で猪突猛進な新人弁護士・天野杏に振り回されながらパラリーガル(弁護士の業務をサポートする専門アシスタント)として奮闘する、育成型リーガルエンターテインメント。共演には、吉瀬美智子戸田恵子安達祐実松尾諭村川絵梨酒向芳大倉孝二江口のりこら芸達者なメンバーが勢ぞろいし、演出は『おっさんずラブ』の瑠東東一郎が手掛ける。

 平手が演じる杏は、最年少で司法試験に合格した超エリート新人弁護士だが、法律の知識こそ誰にも負けないものの、人とのコミュニケーションが苦手なうえ、猪突猛進な性格が空回りしてしまい、弁護士としてまったく成果が出せないでいるというキャラクターだ。

 弁護士役オファーを聞いた平手は「やっぱりセリフの部分が大変だろうな」と思ったという。エリート弁護士役ということもあり、台本には法律用語を一気にまくしたてる杏の姿も多く登場する。
なかなかハードルの高い役どころとなるが、「杏というキャラクターは、いわゆる普通の弁護士ではないところもあるので、皆さんが思われるような弁護士像に固めすぎないよう、自分の中で心がけています」と、杏という人物とフラットに向き合う。

 役作りにあたっては、監督はじめ周囲とも積極的に意見交換をしている。

 「プロデューサーさんも含めディスカッションをしたりですとか、杏ちゃんだったらこう言うんじゃないかみたいなことをお話させていただきました。監督やプロデューサーさん、そしてムロさんからも、『意見やアイデアをたくさん言ってください』と言っていただいたんですけど、私が意見を言っていいんだなってうれしく受け取りました」。

 感情の振り幅が大きく周りを振り回す杏という女性は、これまで平手が演じてきたどこかミステリアスなキャラクターとは趣が異なり、新境地挑戦とも言える。自身と杏との共通点について平手は、「自分が似ていると思うところもありますけど、周りの方から“似てる”とか、“このセリフ言ってそう”とか言われることも多いです(笑)」とのことだ。


◆平手友梨奈がバディに求めることとは?

 約1年ぶりのドラマの撮影現場は、「監督、主演のムロさんはじめ、皆さん、現場の雰囲気もよくて、温かい現場だと日々感じています」と、充実した日々を過ごせている様子。

 今回バディを組むムロについては、「最初のイメージは、内村(光良)さんとコントをされているのをずっと見ていたので、そのイメージが強かったです。でも、現場になると役のキャラクターとして存在してくださっているので、蔵前のようにマネージャーっぽいところもあると言いますか…。役柄そのままに、なにか自分がやらかさないかとヒヤヒヤ目線で見ていたり、所作だったりとかも、バディを無理やり組まされたけど、ちゃんとやるところはやってくれるっていうちょっとした愛情を感じるので、温かい蔵前のままだなと感じました」と、早くも信頼を寄せる。

 ムロ自身も「撮影の合間にいろいろ質問を受けうれしかった」「お芝居の受け皿が想像していたよりもはるかに広い」と平手を絶賛していた。平手自身も現場でのムロの姿勢から受ける刺激は大きいようで、「現場での居方ですとか、気の配り方ですとか、学ぶところも勉強させていただくところもありますし、もちろんお芝居の面でも。
本当にお芝居もお人柄もすてきな方だなと思います」と、劇中の杏と蔵前より先に、早くもバディ感は整いつつある。撮影でエアホッケーの対戦をした際には、「せっかくだから勝ちたいなと思ったんですけど(笑)、ムロさんも私も疲れてしまって、早く終わらないかなという雰囲気になってしまって」と笑顔。

 ムロ以外にも、杏や蔵前が所属する香澄法律事務所には戸田、村川、松尾、酒向、日向亘など、魅力的なキャストが顔をそろえる。彼らとの丁々発止なやりとりも見どころの1つとなるが、「いい意味で年齢もキャラクターもさまざまな皆さんがそろうので、皆さんとの違和感が生まれたらいいなと思います」と平手自身も楽しみにしている様子。

 杏と蔵前のバディぶりも必見の本作だが、平手自身がバディに求めるものは何だろうか?

 「自分がたぶん性格的にきっちりしてしまうところがあるので、いい感じに緩かったり、いい感じに適当さがあると、いい意味で気が抜けたりするので、そうしたところがある人だといいですね。実際気づいたら私の周りは明るい方が多いので、いつも助けられています」との答えが。
本作での蔵前と杏の関係のように、そんな支えてくれているスタッフには日々感謝しているそうで、「それは今までの方もそうですし、自分と関わったことのあるすべての方に感謝しています。お世話になった方には恩返しを少しでもできたらいいなと思いながら、お仕事をさせていただいております」。

 これまで主に音楽やダンスパフォーマンスで最高の輝きを放ってきた平手だが、ドラマや映画など演技に臨む際には、気持ちの面での違いはあるのだろうか?「個人的には、すごくありがたいことにいろんなジャンルをやらせていただいていて、表現方法がただただ違うだけ、という認識です。自分の気持ちだったり、プレイヤーとしての姿勢などは変わらないですね」と、目の前のテーマに真摯に全力投球で臨むことに変わりはない。

 そんな平手が新しいチャレンジを果たす本作。注目ポイントを尋ねると、「幅広い年代の方が見てもクスって笑えたり、共感できたりというところがあると思うので、そういうところに注目していただけたらうれしいです。
毎週毎週このコンビに会いたいと思っていただける作品になればいいなと思っています」と、どこか自身も作品の出来ばえを楽しみにしているようにきっぱりと答えてくれた。(取材・文:編集部 写真:高野広美)

 ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』は、フジテレビ系にて10月13日より毎週金曜21時放送(初回15分拡大)。