水上恒司、コント初挑戦でイメージ覆す弾けぶり　『ブギウギ』で心つかまれた共演者も告白

　内村光良が座長を務めるコント番組『LIFE！秋』（NHK総合）が、10月19日22時より放送される。今回、俳優の水上恒司がコントに初挑戦。

連続テレビ小説『ブギウギ』でヒロインが恋に落ちる青年役、映画『OUT』ではヤンキー役と活躍を続ける水上。コント収録の熱気冷めやらぬ中話を聞くと、新たな挑戦にワクワクが止まらない様子であふれる思いを語ってくれた。

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◆初めてのコント挑戦　自己評価は「自分に甘くして80点！」

――今回コントに初挑戦。収録が終わったばかりですが、今のお気持ちは？

水上：やっぱり緊張しました！（笑）　映画やドラマの現場では段取りをちゃんと決めて、でも段取りっぽく見せないようにっていうのを目指してやってるんですけど、それと比べたら全然違いましたね。コントは苦手っていう方もいらっしゃいますが、本当に内村さんはじめ皆さん素敵な方々ばっかりで、大変心地よくクランクアップすることができました。

今回の出来栄えは、自分に甘くして80点くらいですかね！（笑）

――今回、3本のコントに出演されました。

水上：まったくセリフのないコントがあったんですけど、みんなでわちゃわちゃする感じが楽しかったです。逆に、「『LIFE！』で1人があんなにしゃべり続けるコントはない」とスタッフさんがおっしゃるくらいのコントもあって。よくそんなコントを僕にやらせようと思ったなって（笑）。でも、挑戦的ですごくうれしかったですね、大変でしたけど。

――あの長台詞を完璧にこなされて、さすがでした。

水上：ひたすら練習の積み重ねでしかないので、自宅で「うわぁー！！」って言いながらやってました。近所の人はヤバいやつが住んでるなって思ってたかも（笑）。

――コントはご自身に合うなと感じられましたか？

水上：合ってるか合ってないかはわからないですけど、やっていて楽しいですし、僕は個人的にカッコつけてる感じがあまり好きじゃないというか。もっと面白くしていこうぜ！っていう気持ちのほうが、これまで見せてこなかっただけで普段は大きいんです。今回のコントを通して、そうした面がいろいろバレていくんだろうなって（笑）。

でも、バレるのがこの『LIFE！』きっかけでよかったなと思います。バラエティーとかでスベったりするのではなく、ちょっと違う土俵ですけど芝居というものを通じてバレていくので（笑）。

◆内村光良の“圧のない”姿に感動

――トークコーナーで、デビュー前から『LIFE！』をご覧になっていたとおっしゃっていましたが、実際に共演されてみて、内村さんの印象はいかがでしたか？

水上：大先輩で大御所の方ですので、どこか気難しいところがあるのかなと僕の中で勝手なイメージを作っていたんですけど、やっぱりすごい人ほど普通というか、人を圧するものがまったくなく、攻撃的なものがまったくない、それこそ“世界のすべてを受け入れてるんだ”みたいな空気感が感じられました。内村さんの本当のお姿がすごく魅力的で、本当に圧するものがないっていうのって、普通じゃないと思うんですよね。どこか人って自分を守ろうと、そういうのが出てくるものなので。でもまったく壁がなくって…。誰しもが目指すべき姿だなと思いました。

内村さんとはコントのことを話したり、「なんで芝居を始めたの？」って聞いてくださったり、九州の方言の話をしたりしました。

――SNS用のコント動画では、目がバッキバキになった水上さんの生き生きとした憑依っぷりに驚きました。共演のシソンヌじろうさんや、ジャルジャル後藤淳平さんとのやりとりも最高でした！

水上：じろうさんは毎回違うことをおっしゃいますし、僕もそれでもいいやと思って、「うぃ～～」ってずっと言ってました（笑）。対応できていたのかはわからないですけど、その中になんとか居続けることができたかな。そうそう、『ブギウギ』で共演している趣里さんが言ってたんです。「じろうさんは同じ芝居しないよ」って。このことか！と思いましたね（笑）。

◆大阪制作の『ブギウギ』　水上の心を虜にする共演者とは？

――今お話の出た『ブギウギ』は、大阪で撮影です。共演者もスタッフも関西の方が多いと思いますが、“笑いの本場”の熱量を感じられますか？

水上：ボケとツッコミっていうのが関東に比べたら、ちゃんと「なんでやねん！」と成立しているというか。“今ボケてる”“今ツッコんでる”みたいなことをすごく大事にされている文化だなと思っていて。“オチをちゃんと考えてんねん”っていう感じで、僕そんなの無理なので聞いていて「はぁ～、すごいな」と思っていたのですが、でも最近、「おまえ、ええやん！」「近づいてきたやん！」みたいな感じで接してくださるようになってきたかな（笑）。

スタッフの方々も、関東が冷たいとかではなく、より温かみを感じるというか、愛を感じる現場ですね。この人たちともう一回仕事をしたいって思えるスタッフの方々が多いです。作品の良し悪しだったり、いろんなことを考えて仕事って決めていきますけど、最終的に支えられたり決め手になっていくのって、やっぱり人だと思うので。BK（NHK大阪放送局）の方々ともう一回仕事ができるように、呼んでもらえるように必死にやるというか、何か残していきたいなって思いますね。

――普段の水上さんは、いじるタイプですか？　それともいじられキャラですか？

水上：僕はいじるほうが多いですね。『ブギウギ』の現場ではメッセンジャーの黒田有さんをいじってます（笑）。周りからは「あの人けっこう怖いイメージだからびっくりしたで」って言われるんですけど、僕は知らなかったからこそ、なんかいじって欲しそうだなって思って（笑）。黒田さんからは「なんやねん、おまえ！　どつくぞ！」って言われたりしますけど、すごくかわいがっていただいて、楽しいです。

――これまでさまざまな方と共演されてきましたが、この人面白いな！と思われた方を挙げるとすると…。

水上：今僕的にツボなのは黒田さんですね。平気で放送禁止用語をポロポロ言うんで、「何言うてんねん！」とか言って（笑）。周りからするとちょっとヒヤッてすることもあると思うんですけど、僕からすると面白くてしかたがなくて。何言っても拾ってくださるからおかしくてしかたがないですね。

『ブギウギ』の劇中では、僕が演じる愛助のお目付け役で、趣里さん演じる鈴子との恋の障壁になる坂口を黒田さんが演じられているのですが、今の関係性が今後の愛助と坂口さんの関係性として、より滲んでいったらいいなと思っています。

――今回、初『LIFE！』を経験されて、また参加することがあったら、どんな役どころを演じたいですか？

水上：SNS用のコントでも、作品を回しているのはじろうさんだったので、現場を支配していけるような力を身につけることに憧れますね。それがすぐにできるとは思わないんですけど、そこを目指しつつやっていけたらいいなと思います。レギュラーになりたいです！（笑）

（取材・文：編集部　写真：高野広美）

　水上恒司が出演する『LIFE！秋』は、NHK総合にて10月19日22時放送。