2017年よりヤングマガジンにて連載中の漫画『マイホームヒーロー』がドラマ化し、10月24日よりMBS/TBSほかにて放送を開始する。平凡なサラリーマンが愛する一人娘の彼氏を殺害し、その死体を隠蔽するという衝撃的な展開で話題を呼んだ本作に、佐々木蔵之介演じる鳥栖哲雄の一人娘・鳥栖零花役で出演するのが、元乃木坂46齋藤飛鳥だ。

グループを卒業し、家族のことを考える時間が増えていたという彼女に、本作への思いやファンを意識した今後の展望を語ってもらった。

【写真】オトナっぽさとかわいらしさが共存! 齋藤飛鳥、撮り下ろしショット

■衝撃的な展開の映像化は「想像することがすごく楽しかった」

――本作への出演が決まった時の思いを聞かせてください。

齋藤:このお話を頂いた時、ちょうど別のスタッフさんが通りかかって「その話が来てるなら、絶対やった方がいいよ!」と言われたんです。原作の漫画はすごく人気で、スタッフさんの中にもハマっている方が多いとお聞きして、そんな人気の作品からお話を頂けたことは光栄だなと思いました。私もそこから原作をしっかりと読み込んで、私の好きな感じの作品だったのでうれしかったです。原作がとにかく面白いんですが「これをどうやって映像にするんだろう」と思って、よりワクワクしました。想像することがすごく楽しかったです。

――零花を演じる上で大切にしたことはなんですか。

齋藤:零花ちゃんは、ちょっと生意気で抜けているところもある普通の大学生で、かわいらしく愛くるしい女の子です。この作品はサスペンスやミステリーなどの要素もありますが、どんなシーンも根底には必ず愛があると思うんです。零花ちゃんは両親の愛をすごくたくさん受けて育っている女の子なので、愛されていることも、家族を愛していることも忘れないよう意識しました。

■一流俳優との共演「テキパキと進んでいきながらも、終始和やか」

――共演者の方々の印象はいかがでしたか。


齋藤:皆さん本当に一流の方たちばかりだったので、現場はテキパキと進んでいきながらも、終始和やかな空気でした。佐々木蔵之介さんとは初めてご一緒したんですが、事前に私のことを調べてきてくださっていたようで、私に寄り添ってたくさん会話をしてくださったので、すごくうれしかったです。母親役の木村多江さんも最初から私のことを「飛鳥、飛鳥」とかわいがってくださって、「私の娘はすごいのよ」とスタッフさんに言ってくださっていたりもして(笑)。距離感近く接してくださったので、私からも母親のように思えて、スッと役に入れました。

――難しかったシーンなどはありますか。

齋藤:重たいシーンもありますが、零花ちゃんが出てくる場面はほっこりと笑えるようなシーンになると思うので、空気を軽くしたいなと自分では思っていました。私はそこまでたくさんお芝居をやってきたというわけでもないので、間合いやテンポを蔵之介さんや監督に細かく教えていただきながら、楽しく参加させていただきました。

■乃木坂46卒業後は「不思議と家族のことを考えることが増えた」

――今作を通して、家族という存在について思ったことがあれば聞かせてください。

齋藤:私はグループを卒業してから環境が大きく変化して、不思議と家族のことを考えることが増えていました。この作品の中でもそうですが、現実もいつどうなってしまうかって分からないですよね。だから、零花ちゃんがお父さんに誕生日プレゼントをあげていたように、私も記念日にはアクションを起こしたいなと思いました。

――零花と齋藤さんには、なにか共通点はありますか。


齋藤:気分屋なところですかね(笑)。零花ちゃんって、自分の気分を優先して生きている子な気がするんです。お父さんの帰りが遅くて「もう先にご飯食べようよ」とお母さんに文句を言っていたりして、私もそんな感じだなと思いました(笑)。あまり待つのは好きじゃないし、セリフの一つ一つが私もよく言うような言葉だった気がします。ただ、皆さんの知っている齋藤飛鳥は零花ちゃんのように愛くるしくないと思うので、愛くるしいと思っていただけるように頑張ります(笑)。

■乃木坂46・遠藤さくらからの誕生日プレゼント「なかなか使えなくて、取ってある」

――今作は佐々木さん演じる哲雄の誕生日に物語が始まりますが、齋藤さん自身がこれまでに印象的だった誕生日を教えてください。

齋藤:私は誕生日が8月で、学生時代は夏休みだったので誰からも祝ってもらえなくて寂しい思いをしていたんです。でもグループに入ってからは夏にツアーがあって、何度かあった誕生日当日の公演で、大きなケーキを出してもらったり、会場の皆さんがバースデーソングを歌ってくれたりしたことが、今となっては二度とできない貴重な経験だなと思います。あんなに大きなハッピーバースデーの歌は聞いたことないです(笑)。

――これまでの誕生日にもらったもので思い出に残っているものはありますか。

齋藤:本当にいろんなものを頂いてきたので、うれしかったものはたくさんあります。その中でもかわいいなと思ったのは、22歳くらいの誕生日に遠藤さくらちゃんが図書カードをくれたんです。
大人になってから図書カードをもらうことってあまりないんですけど、「実用的なものをあげよう」とたくさん考えたんだろうなとすごくかわいくて(笑)。使わないものをあげたら本当にいらないと言われると思ったんでしょうね。なかなか使えなくて、取ってあるんです。

――(笑)。最後に、今後の活動の展望を聞かせてください。

齋藤:ジャンルにこだわりはないんです。お芝居も機会があればまたやりたいと思いますが、私がやる理由があるもの、私に名指しでオファーを頂くようなものには、できるだけ期待にお応えできればなという思いがあります。また、これからもファンの方にも喜んでもらえるよう、“私らしさ”を出せるような環境も作っていけたらいいなと考えています。

(取材・文・写真:山田健史)

 ドラマイズム『マイホームヒーロー』は、10月24日よりMBSにて毎週火曜24時59分、TBSにて毎週火曜25時28分放送。全国29局で放送決定。劇場版が2024年3月8日公開予定。

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