田中泯新田真剣佑が親子役で初共演する、国家の裏側やタブーに切り込んだ社会派政治ドラマ『House of the Owl(原題)』が、邦題『フクロウと呼ばれた男』として、4月24日からディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」の「スター」で独占配信される。併せてティザービジュアルも公開された。



【写真】すごい迫力 国家の黒幕・大神龍太郎を演じる田中泯

 本作は、あらゆるスキャンダルを、センセーショナルな事件を、時にもみ消し、時に明るみにさらして解決してきた国家の黒幕である“フクロウ”こと大神龍太郎(田中)が主人公のポリティカル・サスペンス。新田は、ダークヒーローさながら「道筋を正すため」と暗躍を繰り返す父親に反して、対極な生き方で「正義」を掲げる大神龍を演じる。

 そんな大神家と親交の深かった次期総理候補の息子が謎の死を遂げ、龍太郎は国家の裏側から、龍は真正面から、政界に潜む巨悪の正体へと近づいていく。金、名声、女、権力…あらゆる欲がうごめく世界で、それぞれがたどり着いた衝撃の結末とは?騙し合いの連続に、先の読めない展開が繰り広げられる。

 今回公開されたティザービジュアルには、まさに“フクロウ”のような鋭い眼光でこちらを見つめる龍太郎の姿が。「その眼は、この国の闇を見とおす。」というコピーが象徴するように、国家の黒幕として暗躍する龍太郎に期待が高まるビジュアルとなっている。


 エグゼクティブ・プロデューサーと脚本を務めるのは、日本とアジア諸国発信のコンテンツ制作と配給を手掛けるアイコニック・ピクチャーズのデビッド・シン(『時をかける愛』)。アジアで25年以上、大手映画、テレビ、メディア企業の上級管理職を歴任してきたデビッドが、日本人スタッフ&キャストだけでは描けなかった禁断のテーマに挑み、ディズニープラスだからこそできる日本と海外の良さを掛け合わせた作品を作り上げた。

 かねてより関心のあった、権力と影響力をふるう謎めいた人物“黒幕”という存在を、ハリウッド式で現代日本の作品として完成させることを目標としていたというデビッド。ストーリーの広がりや俳優の熱演、作り込まれたセットや撮影など、ハイクオリティなドラマを目指した結果、「このユニークな作品に命を吹き込むために、日本と海外の才能が素晴らしいコラボレーションをしてくれました」と自信をのぞかせる。

 演出は、森義隆(『宇宙兄弟』)、石井裕也(『舟を編む』)、松本優作(『Winny』)が担当。メイン演出の森は「すべてのシーンに100パーセント肉体を投げ出す、泯さんにしか出来ない演技に日々心を震わされました」「真剣佑さんは、余計な加飾や計算を削いで、高い集中力と内に秘めた圧倒的な繊細さでシーンに入り込んでいく。
すごい俳優です」と、メインキャストの田中と新田を絶賛。特殊な関係性の親子役として徹底的に向き合い“真剣勝負”を果たした2人を「本当の親子のようでした」と振り返っている。

 ドラマ『フクロウと呼ばれた男』(全10話)は、ディズニープラス「スター」で4月24日に1~5話、5月1日に6話~7話、5月8日に8~10話を独占配信。

 ※デビッド・シン、森義隆のコメント全文は以下の通り。

■デビッド・シン、森義隆コメント全文

■デビッド・シン(エグゼクティブ・プロデューサー&脚本)

 日本の政治的陰謀や疑惑をユニークなものにしているのは黒幕と呼ばれるような権力者の役割です。彼らはビジネス、政治、エンターテインメント等多くの分野で重要な役割を果たしてきました。
この物語は完全に架空のものですが、登場人物は私が日本で働き、生活してる間に出会った多くの方々にインスパイアされてます。ビジネスマンとしてこの国で働いていた際に理解できなかったことや多くの取引の裏に隠された力を感じることがありました。外国人だけでなく、多くの日本人にとっても、謎に包まれてると感じているのではと思ったので権力と影響力をふるう謎めいた人物に興味を持ちました。

 私が挑戦したかったのはハリウッド式の物語作成法で、現代日本の作品を作ることでした。この作品は色々な意味でハイブリッドな作品といえます。演技、セット、撮影、ストーリーの広がりなど高いプロダクションバリューが必要でした。
このユニークな作品に命を吹き込むために日本と海外の才能が素晴らしいコラボレーションをしてくれました。

■森義隆(メイン演出)

 泯さんと演出陣で握り合った龍太郎という人物の根幹は「政治と社会への強烈な憤り」です。それを一緒に形作っていくにあたって泯さんから出たワードがどれも刺激的でした。「知性の世界に住まう呪術師」「場面の王」「世界の生贄」。ご自分を「俳優としては駆け出し」と謙遜されながら、すべてのシーンに100パーセント肉体を投げ出す、泯さんにしか出来ない演技に日々心を震わされました。

 撮影中の真剣佑さんは「どのくらい深みに近づくか」という、まさにご本人の言葉通りの姿勢で作品に向き合っていました。
余計な加飾や計算を削いで、高い集中力と内に秘めた圧倒的な繊細さでシーンに入り込んでいく。その揺らぎの連続で、父の血ゆえに龍という青年が抱える、マグマのような怒りと孤独の深みに一歩一歩近づいていく。それはものすごく大胆で果敢なアプローチです。すごい俳優です。

 本作での二人の共演シーンはまさに真剣勝負でした。その撮影を終えた後、それぞれに「まぎれもなく息子だった」「自分の父がそこにいた」と、少ない言葉で互いの興奮を伝え合う二人が、また本当の親子のようでした。