天童荒太の「悼む人」が舞台化され、出演者の向井理小西真奈美手塚とおる真野恵里菜伊藤蘭と演出の堤幸が、公演初日前夜の最終舞台稽古を公開した。
舞台「悼む人」最終稽古で白熱した演技を見せる向井理、小西真奈美、手塚とおる、真野恵里菜、伊藤蘭らの様子
 「悼む人」は、死者を悼む放浪の旅を続ける主人公と、様々な死と直面し苦難の中で生きる人達との出逢いと心の交流を描いた話題作。
2009年には直木賞を受賞している。

 今回は、映画「風が強く吹いている」やドラマ「悪夢ちゃん」などで脚本家・監督として幅広く活躍する大森寿美男が脚本を担当、多くの映画やドラマでヒット作を世に送り出した堤幸彦が演出を担当する。

 最終舞台稽古の前に、取材陣の質問に答えたキャスト陣と堤監督。「小説を読んで舞台をやりたいなと思った時、すぐに向井くんが浮かびました」と、語る堤。ご指名の向井は、「難しいですね。まだ迷っているところがありますし。確立されているキャラであるようでないので、その迷いを抱えたまま、答えを見つけずにやっていければ良いかなと思います。こういう中途半端な感じはなかなか味わえないですが、たぶん(自分のことを)主役という意識は、誰も思っていないと思いますが…」と謙遜すると、手塚から「そんなことはないよ(笑)」という突っ込みが。

 舞台が8年振りの小西は、「今は自分のことで精一杯で、役がすっと出てきて、ドワっと喋って、女性の声も男性の声もやらないといけないので、日々一杯一杯です(笑)」と言いつつも楽しそうにコメント。一方、元キャンディーズの伊藤は、「病身でありながら潔くて強いお母さん役ですが、堤幸彦さんがチョコチョコいろいろな要求をお出しになってくれて(笑)…」と堤に軽いクレーム。焦った堤が「あぁ、どうもすみません」と平謝りでごまかすシーンも。更に、「向井さんは情熱とピュアで純真な心を持った男性、そんなお母さんの役をやられていただいて」と主役を絶賛。
嬉しそうな表情の向井は、「(伊藤、向井、真野の)3人は家族役ですが、今回は絡むシーンがないので、またどこかでちゃんと(共演を)」と、再会を約束した。

 囲み取材に続けて上演された芝居は、2時間半近くに及ぶ緊張感あふれる内容。向井を始めとした出演者たちの素晴らしい演技が楽しめる仕上がりとなっている。

 舞台「悼む人」は2012年10月19日(金)の東京公演を皮切りに全国11ヵ所を巡る。
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