11日、舞台『耳なし芳一』の公開稽古が行われ、山本裕典、元モーニング娘。の安倍なつみ、橋本淳、益岡徹ら出演者と、演出の宮本亜門が取材に応じ、意気込みを語った。


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 ドラマ『南極大陸』や『GTO』などに出演し、蜷川幸雄演出の舞台『トロイラスとクレシダ』での熱演が印象的な山本が、今作では役柄上避けては通れない、琵琶の生演奏に挑んでいる。「稽古に入る前から練習してました。どうなることかと思ってたんですけど、本番までにはなんとかなると思ってます」とこれまでの練習を振り返り、「琵琶って運動神経が必要らしいんです。僕は運動神経はいいので、それで助けられていると思います。楽しみにしていて欲しい」と自信をのぞかせた。

 また、山本は今作で舞台上でふんどし姿になることから、制作発表時には「鍛える」と公言していたが、「芳一が鍛えてたらどうなのかなって。合わないなって思っちゃったんで、鍛えず己のまま」だという。とはいえ、この日の舞台稽古でも適度についた筋肉質な美しいふんどし姿をお披露目しており、多くのファンが釘付けになりそうだ。

 一方、安徳天皇と子供役の一人二役に挑む安倍。さらには、巨大な武士を始めとして人形を操る黒子としての役割も担う安倍は、「難しいです。でも、命を吹き込ませようと思って一生懸命やります。居残りもしてずっと練習してました」と意気込みを語った。
それを聞いた亜門は、「練習でも、『人形やろう』って自ら言ってくれた。でも、安倍なつみに黒子させるのって俺ぐらいですよね。会見にも黒子姿で登場させて」と話して場を和ませていた。

 同舞台は、誰もが子どもの頃に「怖い話」として聞いたことのある話を、宮本が大胆に演出した話題作で、KAAT神奈川芸術劇場が行うNIPPON文学シリーズの第三弾として上演される。脚本は、劇団タカハの主宰で注目の若手脚本家・高羽彩。

 阿弥陀寺に住む盲目の琵琶法師・芳一は平家物語の弾き語りが得意で、名手と呼ばれていた。和尚と弟子の佐吉がいないある夜、突然一人の武士が現れ、芳一は請われて「高貴なお方」の屋敷に琵琶を弾きにいくことになった。皆が熱心に聴き入り、その巧みさを褒めることに気を良くした芳一は、七日七晩演奏を続ける。芳一が夜毎に出かけていくのを不審に思った佐吉が後をつけると、芳一はただ一人、平家一門の墓地におり、無数の鬼火に囲まれて琵琶を弾いていたのだった…という、誰もが知る王道ストーリーに、原作の小泉八雲を登場させ、現実と幻想世界が交錯した、怖くも美しい世界が描き出されている。

 舞台『耳なし芳一』は13日~21日にKAAT神奈川芸術劇場にて上演。
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