ゴールデン・グローブ賞で2年連続作品賞を受賞し、批評家、視聴者ともに絶賛するサスペンス大作『HOMELAND/ホームランド』。なかでも話題なのが、イラク赴任中に消息不明となり、8年ぶりにアメリカへ帰還した英雄ニコラス・ブロディ軍曹に、ただ1人、アルカイダに寝返った人物なのではと疑惑を持つCIA女性エージェント、キャリー・マティソンを演じるクレア・デインズだ。
キャリーは双極性障害のために薬を常用しており、時おり言動や感情が不安定になりながらも、ブロディ軍曹の捜査に執念を燃やす。その狂気をも感じさせる熱演は、女優としての深さを見せつけるに十分。クレア最大の当たり役とも言われている。

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 そんなクレアは、父親は写真家、母親は芸術家という家族環境の元、ニューヨークのマンハッタンで育ったこともあって、小さい頃から芸能界や芸術界で活動することを夢見ていた。その夢のために、バレエを習ったり、多くの有名俳優を輩出した“リー・ストラスバーグ・インスティチュート”で演技を学んだりと、努力を続けてきた結果、13歳で『LAW & ORDER』にゲスト出演したのち、1994年に『若草物語』で映画デビュー。そして、同年のテレビシリーズ『アンジェラ15歳の日々』でゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞! 一躍、演技派若手女優の代表格として注目を集めることとなった。


 だが、彼女のイメージは演技派というより、アイドル女優。というのも、1996年にレオナルド・ディカプリオと共演した『ロミオ&ジュリエット』の世界的大ヒットにより、“かわいい”というイメージが定着してしまったから。以降、様々なジャンルの作品で重要な役どころを演じたものの、やはり、何年経ってもイメージは払拭できず、名門イェール大学進学を機に、エンタテインメント業界からは距離を置いてしまう。しかし、3年後の2002年にカムバック。『めぐりあう時間たち』『ターミネーター3』等に出演し、第一線で活躍できることを証明してみせた。

 これで今後は順調かと思い気や、なんと2004年から妊娠中の恋人がいるビリー・クラダップと交際を始めたことで、世間はクレアを大バッシング。
名門大学で学んだという事実や、これまでの役柄から、優等生のイメージが強かったのに、いつしかクレアは“略奪愛の女”に。もちろん、キャリアは低迷した。しかし、ここで腐らず、良作を選んで出演していたのが功を奏した。なかでも、ファンタジー映画『スターダスト』がヒットして、人気が再燃。2010年にはテレビ映画『テンプル・グランディン~自閉症とともに』でタイトルロールを演じ、エミー賞、ゴールデン・グローブ賞を受賞。

 そして、『HOMELAND/ホームランド』のキャリー役で、2年連続ゴールデン・グローブ賞受賞の快挙を成し遂げた。
まさに不死鳥のごとく復活したクレア・デインズ、今では理想の30代女性として憧れられているのだから、キャリー同様、恐るべし女なのである。

 社会現象を巻き起こした『X-ファイル』や『24-TWENTY FOUR-』を手がけたアレックス・ガンサとハワード・ゴードンが放つ衝撃のサスペンスドラマ『HOMELAND/ホームランド』は無料BSテレビ局Dlife(ディーライフ)で7月13日(土)23時放送。