【関連】小泉孝太郎主演『名もなき毒』制作発表の模様
小泉は、2000年に開催された「21世紀の石原裕次郎を探せ」オーディションに応募するも、落選。翌年、父である小泉純一郎氏の2001年内閣総理大臣就任がきっかけとなり、イケメンぶりが評判となるなど世間の注目を集めはじめ、2002年ドラマ『初体験』でデビュー。その後も、『ナースマン』、石原裕次郎をスターダムに押し上げた映画のリメイクドラマ『狂った果実2002』と立て続けに出演したが、結果的にはあまりパッとしなかった。
しかし、純一郎氏が内閣総理大臣を退任した2006年頃から、次第にドラマ・映画への出演が増え、翌年2007年は連続ドラマ『ハケンの品格』『花嫁とパパ』『オトコの子育て』と3本に出演。以降も、連続ドラマ・単発ドラマなど、サスペンスからラブコメディ、時代劇と、幅広いジャンルの作品に出演し、脇役を地道にこなしてきた。
その中でも、小泉が俳優としての評判が上々なのが、今年のNHK大河ドラマ『八重の桜』の徳川慶喜役。政治家の息子として生まれた彼の境遇と重なっていることもあるが、「小泉孝太郎の雰囲気ってある一定の地位にいなきゃ身につかないものだというのが良く分かる」「小泉孝太郎まで嫌いになりそうになったw 裕木奈江が嫌われた時もこんなんだったんかね。しかしこれはハマり役だ」とネット上で絶賛されている。
その勢いに乗って主演に抜擢された『名もなき毒』では、人々の心の闇に切り込んでいくサラリーマン杉村役を演じている。原作者の宮部からは「杉村にぴったり」とお墨付きを得ているほどだ。実際に、番組公式サイトの掲示板には、「いい意味での普通さに共感できる」「つい感情移入して引き込まれてしまう」「毒のなさがミステリーをよりミステリアスにしている」という視聴者からの声が寄せられている。
トーク番組『サワコの朝』(毎日放送)に出演した際に、今年はこれまでの芸能生活で初めて、正月から1年間のスケジュ-ルが埋まっていたことを喜んで語ったが、当たり役が続いている小泉にとって、『名もなき毒』は大きなターニングポイントになるのかもしれない。(文:平楽桂代)