テレビ東京で現在放送中の『金曜8時のドラマ「刑事 吉永誠一 涙の事件簿」』(毎週金曜19時58分~)で、主演の船越英一郎の新しい相棒として鑑(かがみ)貴一役を務めることになった小泉孝太郎に単独インタビューし、意気込みや今後の抱負、恋愛観や結婚観まで聞いた。

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 本作は、2004年に2時間ドラマの人気シリーズとしてスタートし好評を博した『刑事 吉永誠一 涙の事件簿』を連続ドラマ化したもので、テレビ東京の現代劇としては13年ぶりのゴールデンタイム枠の連続ドラマとなる。


 今回、小泉が演じるのは、5年前に謎の殉職をした古谷一行扮する伝説の刑事・鑑貴志の息子である鑑貴一。神奈川県警本部捜査一課片山班所属の刑事。今作への出演が決まったとき小泉は「人気のある作品で、完成された世界観がある作品。僕の求められている部分にプレッシャーはありました。完成された作品に参加するというのは、以前に『踊る大捜査線』に参加したときと似た心境でしたね」とコメント。

 「鑑は異分子で、まだ班にもなじんでなくて、そんな部分を最初は強調していけたら…」と役への取り組みについて語る。人情家で、涙もろい熱血刑事の船越英一郎する吉永誠一刑事の相棒役だが、小泉は「ぼくは、情ではなく、理で動くタイプの刑事」と自身の役柄を分析する。そんな2人のコンビの成長も見どころのひとつとなっている。「自分は自分のやり方でないと刑事はやれません」とはっきりと自己主張する。大学時代にかじったという心理学にも詳しい。「ぼくが反発するところを楽しんでください」と語る。謎の殉職をした父親についても回を重ねるごとに少しずつ明かされていくという。


 主演の船越について印象をたずねると、「船越さん、熱い方です。(2時間ドラマが)連続ドラマになったという意気込みを肌で感じます。船越さんが演じている吉永は刑事としてはありえないくらい情に厚いし、船越さん自身が感情移入して演じているところを見て、『この方、熱いな!って(笑)』僕はそういった視聴者目線の役割もあるのかな」と自分の役回りを説明する。現場では船越からのアドバイスもあるようで「いろいろレクチャーしていただいています。すごくありがたいですね。芝居の哲学から細かい動きまで教えていただいて、今この時期に船越さんのそばで過ごせるってことは、僕の大きな財産になります。先輩の役者さんが教えてくれるってこと、なかなか無いですから…」と大先輩である船越への感謝の気持ちを吐露した。

 また、女優陣との共演者については、「(上司で班長役の)眞野あずささんは、一見クールに見えますが、お茶目なところもあってチャーミングな方です。二つの顔を持っているところ、魅力的ですね。平山あやさんは、とても勘のいい女優さん。まっすぐで、思ったことはズバッと言うし、感情に素直な方ですね」。劇中、優秀な女性鑑識官として出演している平山から鑑は、一目ぼれされるのだが「二人の今後の展開がスパイスになればと思います」と楽しそうに語った。
 刑事役ということで当然アクションシーンも多い。「ジムに行くだけじゃなく、普段から階段を使うようにしたりしています(笑)日頃の生活の中でのちょっとした無駄な動き、大事ですね」と身体を鍛える以外にも気を配っていることを明かした。

 ロケ先でのエピソードを聞くと、「神奈川県警が舞台なので、僕がよく行っていた湘南とか、生まれ育った横須賀にも行きました。うれしかったですね。何か差し入れでもと考えて、“ポテチパン”というのがあって、ホットドックの間にポテトチップスとキャベツと人参なんかを刻んでドレッシングをかけたものが入っているんですが、東京には無いということもあってか、すごく好評で皆さん、喜んでくれました。ぼくの青春時代の味を喜んでくださってうれしかったです」と笑顔で述懐した。そんな小泉は食への関心度が高いと話す。「食への執着は人よりありますね。前の日から次の日の食事のことを考えているので、それってこだわっているだろうな(笑)。何でも好きですが、特に旬のものが好きですね」と楽しそうに語った。また、お酒もかなり飲むという小泉は、「学生の頃は二日酔いになったことが無かった。どれだけ飲めるか試したことがあって、白ワインを12本飲んだことがあって、さすがに次の日『気持ち悪いなって…』って(苦笑)」とエピソードを語ってくれた。


 小泉孝太郎、35歳。恋愛観にも迫った。「それなりに、ぼくもいろんな女性に出会ってきましたけど…。どんな恋愛をしたいとか、そこはもう考えないようにしています。人間って声の発し方で性格が出ますね。高くも無く、低くも無く、声が聞きやすくて日本語がきれいな人が好きです。丁寧な日本語を話す女性が好きですね。それと、自分の主張よりも人と融和できる人。人と仲良くできる穏やかな方が理想です」。さらに、結婚については「結婚は、地球に隕石が衝突するようなもので、出来れば幸せだと思います(笑)」と語った。

 小泉は今年、宮部みゆき原作のドラマ『名もなき毒』(TBS系)で主人公・杉村三郎を務め、その演技と存在感で好評を得た。小泉演じる主人公は謎解きをしないし、積極的に誰かを救うわけでもない。
いわゆる、巻き込まれるタイプの主人公で、人間的な魅力に溢れている。小泉の持つ透明感がこの役にぴたりとハマり、不思議な存在感を放つ。小泉にとって今作への出演は、役者として大きな自信へと繋がったようだ。小泉は「棚からぼた餅どころじゃない作品でした。演じるときは、攻めに転じなければいけないですから、一つ一つの作品が終わるごとに自信もつきますが、気を抜くと落ち込んでしまう。芝居って奥が深い。経験することは大きいですね」。

 そんな小泉に、俳優として演じることの楽しさや難しさについて聞いてみると「遊びを真剣にやっている仕事。最高の醍醐味でしょうね。これはもう最高ですよ。でも、本番では誰も助けてくれないし、答えもない。自分が追い求める姿と監督の要求を一致させて演じる。
これからもずっと悩んでいくことでしょう。視聴者から『小泉孝太郎、いいね!』と言われるように演じていきたい。それと、受身の人生を楽しみたい。自分の色を強めていって、ずっと求められる自分でいたい」と真摯に語った。まじめな性格がにじみ出る。存在感を放つ素敵な俳優として大きく成長していって欲しい。(取材・文・写真:福住佐知子)

 『金曜8時のドラマ「刑事 吉永誠一 涙の事件簿」』は、テレビ東京系にて毎週金曜19時58分より放送中。
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