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過去22年間に撮影された約1万点以上の写真の中から、梨花自身が選りすぐった写真や、ニューヨークと東京で新たに撮りおろされた写真、過去と現在のオンオフの姿をランダムに構成したコラージュページなど304ページのボリュームで構成された本書は、梨花自身の「“今までは今まで” “これからはこれから”というスイッチを、すごく入れたいタイミングだった」という思いから制作がスタートした。「今回はモデルとして、ファッションとしての部分をメインで伝えたいという思いがあって、それが難しかった。普段の雑誌の撮影は素の自分を入れこむ撮影が多い中、ニューヨークでの撮り下ろしはモデルスイッチが入りきった撮影だったのでとても新鮮でした」。
実に22年という長い間、トップモデルとして数々の表紙を飾り続けた梨花。しかし、実は「(モデルとして)終わったな、もうないな」と感じた時期もあったという。それは、20代後半のことだ。「その当時、モデルは20代(で終わり)という印象が私は強かったんです。25歳で、赤文字を卒業して、その後は次に辿り着かない空白の5年間くらいの間があった。でも、この先どうする?って考えたときに、(何も)ないわけで…。すっごく嫌だったけど、日常の当たり前のことをしていました。物足りなくて、『こんなことで人生は変わらない』ってすごく嫌だった記憶が残っています」。
しかし、結果的にその「当たり前のことをやる」ことが、その後につながる。「その当時は、そんなことは思わなかったけど、今、スランプになったりしたら『当たり前のことを率先してやる、当たり前のことを大切にした方がいい』と思えるようになった」。挫折を感じたときにこそ、日常を丁寧に生きることが乗り越えるコツだと梨花は語った。 本書で、22年の区切りをつけた今。今後の目標について聞いてみると、「40代になってからは『女性としてこうなりたい』というのが出てきた」と瞳を輝かせた梨花。「モデルとしてこうなっていたいという気持ちが強かったときは、おのずと不安も押し寄せてきていたんだけど、『こういう女性になっていたい』って思っている今は、不安はない。そのくせ、活力とか行動力、原動力がくすぶっている感がなくて、楽しい感情で溢れている」。
梨花の目指す、「こんな女性になりたい」とは、具体的には「カッコいい人」。
「自分が強みだったり、自信だったりと思っていたことが、このままだとなくなっちゃうと思ったの。シワや風格とか、年齢とともに出てくる味はカッコいいにつながると思うんだよね。潔いともいうのかな。繕わずにいても、それまでの経験でカッコ良く見えるそんな女性になりたい」。
今後もさらなるステージを目指し、活躍し続ける梨花。新しい梨花の姿に多くの女性から視線が注がれ続けることだろう。(取材・文・写真:嶋田真己)
『梨花「NO.22」』(税抜3241円)は、5月28日発売。