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人気シリーズの最終作に出演する2人。今回は、役者それぞれの個性に合わせて脚本を書く当て書きの手法が採用されているそうだが、自分に自信の持てない新体操部員を演じる菅谷は「『オレ、こんなか?』って思いますね」と、口をとがらせちょっぴり不満げ。しかし、保健の先生役を演じる増田から「てっちゃんが演じる本木は、保健室に来ても弱音すら言えなくてどもっちゃうようなタイプ。私はわりとイメージどおりだったよ」と言われると、「あのね、違うんだよ…。でも、皆さん普段、僕がお芝居をするイメージがないと思いますので、そのギャップも含めて楽しんでいただければ」とアピール。自己評価と他者評価のギャップに戸惑いながらも、演じる役と同様に、言葉に表さない内に秘めた熱い想いを滲ませた。
素直に本音を言い合える2人だが、ほかの共演者とも十分な意思疎通が図れており、稽古場の風通しは非常によいそう。増田はほかのキャストより少し遅れて稽古に合流したため、「輪に入れるのかすごく不安でした」と振り返るが、初めて挑む先生役の役作りをするために、稽古場から新体操部員役を演じる俳優たちと真摯に向き合うことを決意。「できるだけ意識して一人ひとりとコミュニケーションをとるようにしたら、ある時、弾けたようにみんなと仲良くなれたんです。交流が深まるうちに私自身の芝居が変わってきたし、作品に対する愛情も沸いてきました」と、現在までの変遷を力強く語った。 そんな増田だが、「みんなの気持ちが一つになっていると感じた」エピソードとして、稽古場にある小さな鏡の前で練習したことを挙げる。
舞台を最良のものにするために努力を続けるキャストたち。一番の見どころを聞くと、増田は「新体操です。見どころというよりも、それを目当てに舞台を観に来てほしいくらい」と即答。菅谷は苦労の末にバク転を体得したと話し「稽古に入る前はまったくやったことがなかったので、自分でもびっくりしています」と目を細める。ずっと練習を見てきた増田も「てっちゃんは本当に吸収が早かった」と褒められ、照れくさそうな笑顔を見せた。
今作のストーリーは、夢といかに対峙するかということが一つのテーマとなっているが、2人はその主題と自分を重ねた。増田は「台本にある『何かを努力することは恥ずかしいことじゃない』というセリフには、夢を叶えるために一番大事なことが詰まっていると思う。私はもAKBとして7年間過ごした中で、努力が恥ずかしいと思っていた時期もあった。
一方、菅谷は「僕は役者としてスタートラインに立ったところで、まだ夢を叶えたとは思っていないんです。今はガムシャラにやる時期なので、目標に向かって努力して、早くポジションを確立したい」と、旺盛なハングリー精神が感じられるコメント。この舞台、“青春の二重奏”を意識して観劇すると、より楽しめるかもしれない。(取材・文・写真:吉田勉)
舞台『タンブリング FINAL』は、6月28日・29日大阪 シアターBRAVA!にて、7月16日~21日東京 赤坂ACTシアターにて上演。