現在放送中の連続ドラマ『エイジハラスメント』で、いまだ日本企業にはびこる年齢差別や女性蔑視、先輩女性社員からの陰湿ないじめに立ち向かう“反逆のヒロイン”吉井英美里を演じている武井咲。「てめぇ、五寸釘ぶち込むぞ!」「嫌われバイキン撒き散らし過ぎ!」など、脚本家・内館牧子が繰り出す過激なセリフの応酬に戸惑いながらも正義感に燃える英美里を力強く演じる武井に、現在の“ハラスメント事情”について聞いてみた。


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 まず、「五寸釘の意味がわからなかった」と照れ笑いする武井は、「いろいろ調べてみたら藁人形に刺さっている絵が出てきてビックリしました!」と驚きの顔。さらに、「心に“ザクッ”とくるような独特のセリフがたくさんあって、どう演じればいいのか悩みましたが、英美里が実年齢に近く、怖いもの知らずな勢いだとか、強い信念を持っているところに凄く共感できたので、感情移入しやすかったですね。演じていてとても気持ちがいい」と手応えを感じているようだ。

 ところで、本ドラマにはさまざまなハラスメントがヒロイン英美里に襲いかかるが、武井自身はこれをどう捉えているのだろうか。「女性のハラスメントは嫉妬深く、陰湿な感じがしますが、男性の場合は、悪気がなくて能天気な感じがするので、私は割と気付かないタイプ」と男性には比較的寛容な様子。だが、「劇中のセリフにもありますが、好きな人なら流せますが、嫌いな人は何もかもが気に入らないので、全てをハラスメントと捉えてしまうから怖いですね」と、ハラスメントには微妙な分岐点があると持論を展開した。 では、もしも怒り心頭のハラスメントを武井自身が受けたらどう対処するのか。「うーん、私なら寝ちゃいます」と意外な答え。「自分がガマンすれば、物事がスムーズになるのなら、“こんなことくらい、いっか!”って思って寝ちゃいます」と、トラブルを避けて飲み込んでしまうタイプだと吐露。「でも、それが溜まりに溜まってガマンの限界にきたら、相手に意見をぶつけて、解決するまでとことん話し合いますね」と語気を強め、英美里を彷佛させる“折れない”一面も併せ持っていることを明かした。

 ドラマもいよいよ後半戦、さらに過激さを増す展開について武井は、「どれだけ正論を言ってもハラスメントが消えない現状に、英美里がどう反逆していくのか、最終回に向けてスカッとする内容になっていくと思います。また、その一方で、英美里と保科課長(小泉孝太郎)との不倫関係や、上司の百合子さん(稲森いずみ)との女のバトルも見どころの一つですね」とアピールした。


 その時々の年齢に合った役をできるだけ演じていきたいと語る武井。「今回は、今の年齢だからこそできる等身大のOLさんの役でしたが、いずれはお母さん役もやってみたいし、悪役もやってみたい。まだまだやったことのない役が多いので、いろんなことにトライしたい、知らないことをとにかく知りたい」と大きな目を輝かせる。「自分がドラマに出演していると、家族が凄く喜んでくれるんですよ。先日も、街で見かけたポスターを写メで送ってきたくらい」。屈託のない笑顔を見せる武井のエネルギー源は、状況は違えど、英美里と同じ“家族愛”にあるようだ。(取材・文・写真:坂田正樹)

 木曜ドラマ『エイジハラスメント』はテレビ朝日系にて毎週木曜21時より放送中。
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