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「支持されている要因をあえて挙げるなら、制作者も出演しているジャーニーも、とにかく“好きなこと”を徹底してやっているところなのかなと思います。もしかしたら、それが画面から伝わっているのかもしれません」と語る横井氏。番組では毎回、独自の視点やこだわりを持って世界や日本を巡る人々(=クレイジージャーニー)が登場。番組ディレクターが実際にその旅に同行し、本来であればまずお目にかかれないだろう、衝撃映像を堪能できることが魅力のひとつだ。
また、この番組の特徴として、一般視聴者だけでなく芸能人からも多くの支持と評価を集めている、という点がある。たとえば、音楽プロデューサーのヒャダインは、今年正月の『新春テレビ放談』(NHK)の席で、次のように番組を評価していた。
「特番から始まってレギュラーになっても、まったく丸くならない。(中略)今のテレビだったらコンプライアンスとかいろんな問題で絶対に映せないようなものを、『ドキュメンタリー』『ノンフィクション』の傘を持ってガンガン放送するんですよね。でも、それは実際に起きていることだし、文化だし、茶化しているわけでもないですから」。 この“素の映像が持つ力”に関して、横井氏もこう述べている。
そんな“マニアックな映像”にちょっとしたアクセントを加えているのが、松本人志×設楽統×小池栄子という3人の番組MCだ。ある放送回では、設楽が「本気の人って、コントを上回りますよね」とつぶやき、松本も「日本だったらこんなの絶対アウトやわ」「なぜこの番組はこういうことができるんやろうか?」という、率直な驚きを示していた。
横井氏は「超実力派の3人がMCなので、スタッフも知らなかったジャーニーの魅力や秘密、こだわりなどが収録上で次々に明らかになる…ということがしょっちゅうあります」と内部からの目線を語り、「また、“極めている”MC3人と“突き詰めている”ジャーニーの皆さんとで毎回化学反応が起き、ストイックだけど和やかな空気が生まれるのも、この番組ならではなのかなと思っています」と分析した。
レギュラー化からまもなく1年。今後番組では、“惜しくも亡くなってしまったけれど、ご存命だったら間違いなくクレイジージャーニー”といった企画も用意しているという。「クレイジーな人には、世代や時代を超えて突き刺さる魅力があると思うので、うまく形にして幅を広げたいです」という横井氏の思いが、『クレイジージャーニー』の魅力をさらに広げていくだろう。(取材・文:オグマナオト)
『クレイジージャーニー』は、TBS系にて毎週木曜日24時10分より放送。