約19年ぶりに復活したドラマ『不機嫌な果実』。本作に、「国民の愛人」「愛人にしたい女性No.1」とのフレーズでもお馴染みの橋本マナミが、不倫をする女性役で出演している。
橋本本人が今回、パブリックイメージどおりの役どころや、無名時代の努力の日々について語ってくれた。

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 『不機嫌な果実』は、1997年にテレビドラマと映画が同時期に発表されて話題を呼んだ。それら過去作と同様に、ドロドロの不倫劇が描かれる本作に関して橋本は「日常で誰もが持っている欲望や、孤独感から来る人間のずるさを表現しています。“不倫ダメ!”って言われる世の中なので、このドラマで自分をどれかの役に置き換えて、疑似体験して楽しんでほしいです」と話す。

 橋本が演じるのは、かつてから熱望していた“不倫女性”。スポーツインストラクターと不倫する遠山玲子だ。「自ら積極的に動いて愛人を作る肉食系の役どころです。お金持ちの旦那は安心感とお金だけで十分。“愛は他の人からもらえばいい”と言って色んな男性と不倫します」。

 玲子との共通点は「見つけづらかった」という。「私、けっこう一途なんです。好きになっちゃうとゾッコンになって彼しか見えなくなって、だいたい“重い”って言われて振られちゃう。
でも誰しも寂しさとか闇はあるじゃないですか。そこを男性の方に補ってもらう気持ちは分かる気がします。玲子と同じ部分を探そうとすると“男遊びしてます”って宣言しているみたいですね(笑)。私、一途なんですよ!」。

 普段、リラックスしたいときにやることはサイクリング。「家の中にいるより外の空気を吸うほうが好きなんです。自転車で走ってたらよく気づかれるんですけど、すごい速さで逃げるんで一瞬『あっ!』とか言われたときにはもう走り去ってます。でも男の人によってはタクシーで追いかけてきて…それはさすがにちょっと怖いですね(笑)」と苦笑いした。 過去には、2000年代前半から各種ドラマに出演して下積みを重ね、海に浮かぶ死体役なども経験してきた橋本。バラエティー番組では一食6円のワカメ丼を食べていた極貧生活も告白している。そんな下積み期間が長いと滅入ってしまいそうだが…「色々お仕事をしていく中で『私は行ける!』っていう根拠のない自信が芽生えて、それだけはずっとブレませんでした。『仕事なくてダメかも』『私には何もない』と落ち込んでる暇があったらボイストレーニングとかワークショップ、ダンスレッスンに通って『何かしら吸収してやろう』ってスケジュールを埋めて…今考えてもすごい前向きだったと思います」。


 橋本のやる気に火をつけ続けたきっかけの一つは、19歳のときに出演したNHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』(03)。「自分のいた環境とかけ離れたプロの世界を感じて、『もう一回ここに戻ってきたい!』と思うようになりました。それ以来、日舞の稽古にも通ったり着付けの講師の資格を取って着物を着れるようになったりしました。叶わぬ夢かもしれませんが、いつの日か叶うことを信じて今も頑張ってます」。

 大河ドラマ以外に出演したいと話したのは松本清張作品。「『黒革の手帖』が好きで、女の裏側を見せるような役がすごくやりたいです」。楽しげにそう話す様は、世間の“グラビアの水着のお姉さん”像とは離れた、芝居好きで努力家な夢追い人の姿そのものだった。(取材・文・写真:桜井恒二)

 ドラマ『不機嫌な果実』は、テレビ朝日系列にて毎週金曜23時15分より放送中。
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