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遠藤憲一のキャリアを振り返ってみると、時代劇や刑事ドラマ、2時間ドラマへのゲスト等で経験を積んだのち、“Vシネ”の名で知られるオリジナルビデオの登場により、「実録」「仁義」「抗争」「極道」の文字がタイトルに入るような“ヤクザもの”への出演が激増。とりわけ、00年代初頭は1年で10本前後のVシネに出演し、“遠藤憲一=ヤクザ、怖い”というイメージがついたのは、ここでの功績が大きいだろう。
ある映画関係者は「遠藤さんがヤクザ映画に多く出演していたころは、奇をてらうよりも、定番の俳優を定番の位置にすえるキャスティングが主流で、善人役が多い人は善人役、悪人役が多い人は悪人役となっていました」と当時を振り返り、「しかし、インターネットが普及し、ツイッターやSNSを使う人が増えてくると、ちょっとしたことがニュースとなって拡散され、奇をてらったキャスティングも話題となることがわかり、徐々に増加していきました。そのような背景も、遠藤憲一さんがコミカルな役をするようになった要員のひとつだと思います」と分析する。
では、遠藤憲一の映画出演作からコミカルな役を拾っていくと、04年公開のオムニバス映画『漫☆画太郎SHOW ババァゾーン』の1本“3年B組珍八先生”では金八風のヅラを付けて教師に扮し、05年の『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』では、劇中のバラエティ番組に登場する着ぐるみのキャラクター“プータン”に。ある意味、今よりもぶっ飛んだキャラクターをやっていたのだ。 「元々、実力のある俳優さんというのも大きいのですが、怖いものって、何かの拍子に笑いに変わるじゃないですか。遠藤さんには、そういう“怖さ=笑い”を感じさせるものがあり、何かの作品で面白い遠藤さんを見た人が、うちの作品でもやってくれと、コミカルな役が増えていったのだと思います」と話す前述の映画関係者。
さらに「過去の作品を見ればわかるとおり、遠藤憲一はなんでもできるというのを製作サイドは知っています。
イメージ・チェンジというより、この10年で、シリアスからコメディまでキャラクターのふり幅を大きくした俳優・遠藤憲一。まずは、22日に放送される『民王スピンオフ~恋する総裁選~』で、遠藤のコミカルぶりを楽しみたい。
『民王スピンオフ~恋する総裁選~』は、テレビ朝日系にて4月22日23時15分より放送。