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公式プロフィールの表現を借りれば、ベッド・インとは、おみ足担当の益子寺かおり(左)とパイオツカイデ~担当の中尊寺まい(右)によって結成されたバブル系地下セクシーアイドル。「シクヨロ~」「サンクスモニカ~」「許してチョンマゲ~」など、口を開けば死語のオンパレードだが、1stアルバム「RICH」でメジャーデビューも決まっており、そのジャケット写真を巨匠・篠山紀信が撮りおろしたというから驚きだ。
2012年、別々のバンドで活動していた2人は、「お互い昭和顔だね」ということから意気投合。清純路線のアイドル全盛時代に「物申す」とばかり一念発起し、もう一度日本にバブルの嵐を巻き起こすべく、完全セルフプロデュースで活動を開始した。益子寺のドヤ顔ヴォーカルと、中尊寺のエロティックなギタープレイが炸裂するライブは、男のみならず女性からも人気があり、なかには普段は大人しそうな女の子が「ボディコン着てきました!」「真っ赤なルージュ引いてきました!」と多数押し掛け、“マンモスうれぴ~”状態だという。
そもそも昭和、しかもバブル時代の文化に、なぜここまで惹かれたのか。「自由な表現を許してくれる度量があったと思います。例えば、セクシーアイドルと芸人さんがコラボして曲を出すとか、スカートのめくれる写真集があったり…そういった熱量のこもった作品が沢山あったから」と中尊寺。当時のエロス満載のバラエティー番組『ギルガメッシュないと』や『殿様のフェロモン』が“やまだかつてない”くらい大好きだという2人。益子寺も、「今はメディア規制が厳しいけれど、バブル時代はもっと自由だったし、気持ちに余裕があったんじゃないかと思うんです。
さらに、昭和アイテムのコレクションが趣味だと言う筋金入りのバブル好き2人。短冊型のシングルCDやレンタル落ちVHSを収集する中尊寺は、「今、一番勉強になるのはホイチョイムービーととんねるずさんの当時のコント!バブル時代の言葉遣いや文化に学生時代からずっと興味しんしん丸なんです」と目を輝かせる。グラビアアイドルの写真集にご執心の益子寺は、「C.C.ガールズさんやギリギリガールズさん、T‐BACKSさん、武田久美子さんなど当時のセクシーアイドルの皆さんの作品を集めては、細部まで眺めて下半身のポケベルを鳴らしています!ヴィジュアルワークの参考にもさせていただいたり。あとは、ベッドの上でオジサマたちからハウトゥしていただいて…」とニンマリ。 とは言ってもこの2人、アイドル的にはお姉さんでも、バブル世代からはほど遠いアラサー女子。完全なる後追いだけに、当初は不安もあったという。「自分たちは、ただスキスキス~なキモチだけでやっているだけなので、本物のバブル世代の方から見ると、日本好きの外国人の方が腕に“豆腐”って入れているような感覚かも」と中尊寺。それでも日々、バブル時代の文化を勉強し、アイドルに清純さを求めるこの世の中に、「ロリロリもいいけどケバッ娘もモアベタ~だし、女の子にだって性欲はある!」と訴えていきたいと力を込める。
コンビ名は、夜の営みを連想する死語から、ベッド・インを選んだ。なぜかAKB48をライバルに見立て、益子寺が「ウチらもゆくゆくは人数を増やして対抗したいという夢がMORI MORIです。目指すはB.C.G(1993年に活動していたアイドル)!」と構想を練ると、「ま、ちゃんまいはすでにDKB48(でっかいバスト)なんですけどね!」と中尊寺。
夢はミュージックステーションとNHK紅白歌合戦出場。バンド仕込みの確かな音楽性とバブル時代を追求する真摯な姿勢、2つの柱に裏打ちされたこの壮大なる宴会芸から目が離せない。(取材・文・写真:坂田正樹)
6月19日(日)新宿BLAZEで三度目のワンマンライブ開催決定。チケットは各プレイガイドで発売中。全12曲を収録したメジャー1stアルバム「RICH」(3000円/税別)は7月27日発売。収録曲「太陽を信じて…」が7月からロードショーの特撮映画『大怪獣モノ』のエンディングテーマに決定。最新情報は公式パソコン通信サイトにて。