『ウルトラQ』で報道カメラマンの江戸川由利子役、『ウルトラマン』でフジ・アキコ隊員役を演じ、特撮番組におけるヒロイン像を確立させた桜井浩子と、『ウルトラセブン』で風来坊モロボシ・ダン役を演じ、現在でもウルトラマンファンから愛され続けている森次晃嗣との夢の対談が実現。愛するウルトラマンシリーズへの思いや、今だから話せる撮影秘話などを熱く語った。


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 シリーズ放送開始から50年を迎えたことについて桜井は「50年前、杉並公会堂で行われた番組PRイベントに出席したんですが、50年後、ウルトラマンがこれだけ多くの人に愛される作品になっているとは想像していませんでした」と感無量の様子。さらに桜井は、「これは『ウルトラマン』の土台を作った人、そしてそれをここまで繋いで来た人たちがいたからこそ実現できたこと。私も未だに初代のヒロインとして取り上げていただくことが多いのですが、ご要望があるうちは、ファンの皆さんと楽しい時間を共有したいですね」と笑顔を見せた。

 一方、『ウルトラマン』の後を受け継いだ『ウルトラセブン』放送時を振り返った森次は、「当時、『ウルトラマン』の人気が凄かったので、『ウルトラセブン』に変わって視聴率が10%以上、落ちたのを覚えていますね。今思えば、(『ウルトラセブン』は)凄く怖いし、小さい子供が観ても内容がわかりづらかったのかな?」と苦笑い。「たぶん、ステップアップの意味で大人向けになったと思いますが、そのせいか、セブンは再放送で凄く人気が出たんです。今でも支持されているのは、当時見ていた子供たちが時を経て、内容がわかるようになって、そしてどんどんハマっていったんでしょうね」と述懐した。

 また、自身が出演した作品以外で、出演してみたかったウルトラマンシリーズは?という問いに対して森次は、「ないなぁ(笑)。何だかんだ、僕が一番ウルトラ作品に出ているんじゃないのかな?僕は60歳(『ウルトラマンサーガ』)まで変身していたからね、もはや(ウルトラセブンは)分身ですよ」とニッコリ。一方の桜井は、「これに出演したい!なんていったら本当に出ることになりそうだから言わない」と冗談まじりに拒否しながらも、「印象に残っているのは『ウルトラマンゼアス』ですね」と語る。 「確か記者発表の時に、キャップ(故・小林昭二氏)がマムシさん(毒蝮三太夫)と今後のウルトラはこうあるべきだ!と40分くらい熱く話していて、それを私は横で聞いていました。キャップの遺言だと思って、今でもそのお話はしっかり覚えていますね」としみじみ。


 また、森次も『ウルトラマンゼアス』の撮影時を振り返り、「キャメラマンが大岡新一(現・円谷プロダクション代表)さんという方だったんですが、とにかくクレーンに乗って撮るのが好きな方だったな」と語ると、桜井も「そうでした!だから、最近は酔っぱらうと大岡さんのことを“クレーンしんちゃん”って呼んでいる(笑)」と明かし、いまでも“ウルトラマンファミリー”で良好な関係性が続いていることを垣間見せた。

 最後に、現在放送中の『ウルトラマンオーブ』で主演を務める石黒英雄が、小さい頃、再放送で見た『ウルトラセブン』に憧れていたというエピソードに対して、森次は「ウルトラマンのことだけを考えて、目の前のことに集中してやってほしい」とコメント、これから「ウルトラマン」を演じる俳優を激励した。

 森次や桜井、そして石黒のように“ウルトラマン愛”を語り、受け継ぐものがいる限り、次の50年も間違いなく「ウルトラマン」は子供たちのヒーローであり続けるだろう。(取材・文・写真:坂田正樹)

 桜井が出演した『ウルトラマン』、森次が出演した『ウルトラセブン』をはじめ『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』など昭和ウルトラマンシリーズ7作品の第1話が収録された『ウルトラマンBlu‐rayセレクトシリーズ ファーストエピソード編』は現在、好評発売中。また、桜井、森次が出演した『ウルトラマンゼアス 1&2』のブルーレイは予約受付中。発売は12月22日。
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