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創業80年の老舗弁当屋「森田屋」から洋食店「キッチン森田屋」として様変わりして再登場した平岩演じる照代。その間には太平洋戦争を経験するなど、時代は大きく変化した。そんな状況に「撮影が2ヵ月ぐらい空いて、久々の再会だったのですが、(高畑充希演じる)常子たちが大人びていてちょっと寂しくなっちゃいました」と平岩は親心を見せるが、高畑たちとはLINE等で頻繁に連絡をとっていたようで、合流してからの撮影はすぐにいつもの“森田屋”になったという。
そんな現場の雰囲気を盛り上げてくれるのが夫役のピエール瀧だという。「体もですが、心も大きくてとても優しい方なんです」と印象を語ると「みんなのことをちゃんと見てくれていて、なにを感じているかを察して、演技しやすいように現場を作ってくださるんです」と絶大な信頼を寄せる。
さらに技術的な面でも「音楽をやられている方の演技はとても興味があるんです。いい意味でリズムを乱してくれて、いきなり違う音符を奏でたりされるので、やっていてすごく面白い」とピエールとの共演が自身にとってエキサイティングな現場だったことを明かす。そして話は、カリスマロックミュージシャンとして一時代を築いた忌野清志郎さんとの思い出へと展開していった。 「『恋の門』という映画と『マンハッタンラブストーリー』というドラマでご一緒したことがあったんです。共に同じシーンはなかったのですが『こういう球を投げるんだ!』ってすごく感動したのを覚えています。
平岩といえば、これまでやや個性的な役柄が目立つ女優というイメージがあったが、「私はやや頑固な部分があるので、監督の言うことに柔軟な対応をしていきたいと心掛けてはいるのですが、どこかに平岩としてのスパイスを効かせられたらいいなって思っている部分もあるんです。せっかく作品に出させていただくのですから、自分である意味を残せたらという気持ちがあります」と自身の俳優としてのスタンスを語る。
本作では、広い心を持つ“日本の母”を体現するような存在に挑んでいる。「現在36歳なのですが、若い人たちにアドバイスをする立場だったり、役柄的には背伸びしていますよね。この年になるとあまり現場で怒られることもなくなってきているので、初心を忘れず、しっかり向き合っていきたいですね」と自分に言い聞かせるように語っていた。(取材・文・写真:磯部正和)
NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』は総合テレビにて毎週月~土曜あさ8時放送。