スポーツの世界などでは、よく○○世代という表現が使われ、世代間の比較をすることが多い。芸能界においては、スポーツのように数字で結果が出る世界ではないため、そこまで年代によって当たり外れを論じられることはないが、ふと年代別に生まれた面々をみていると、1991年生まれの女に、個性的なメンバーがそろっていることに気づく。
もちろん、1990年生まれ、1992年生まれにも素晴らしい女優はいるが、1991年生まれの女優たちは、今後のドラマ界や映画界を背負って立つ可能性のあるメンバーがそろっている。

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 まず挙げられるのは連続テレビ小説『あさが来た』でヒロインを演じた波瑠だ。女優活動自体は10年近いキャリアを持つが、朝ドラで大きく知名度を上げた。スタート当時は、姉役の宮崎あおいの圧倒的な演技力に対して、やや推され気味な印象があったが、あさという女性の成長と共に、波瑠自身の演技にも威風堂々とした佇まいが増し、安定感をもたらした。放送終了後にも、連続ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』で主演を務めると、2017年の年明け放送のNHKドラマ『お母さん、娘をやめていいですか?』でも主演を張るなど、順調にキャリアを積んでいる。

 続いて注目されるのが夏帆。デビュー当時は、清潔感のあるルックスから、清純なイメージの役柄が多かったが、2013年に放送されたドラマ『みんな!エスパーだよ!』で主人公の幼馴染であるヤンキー少女を演じ、視聴者を驚かせると、その後も個性的な役柄を演じ、演技の幅を広げている。そして今年6月に公開された映画『ピンクとグレー』では、ヒロイン・サリー役を演じ、大胆な濡れ場を披露した。その表現力は、これまでの彼女のイメージを一蹴するような演技であり、女優としての可能性が大きく広がった。 AKB48で一時代を築いた前田敦子も1991年生まれだ。2012年にAKB卒業後は、本格的に女優として活動を開始し、規模の大小を問わず、非常に質の良い作品への出演を続けている。『さよなら歌舞伎町』や『イニシエーション・ラブ』などの映画や、二股をかけ続けるヒロインを演じたドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』などで高評価を得ている。
2017年も、鈴木亮平が主演を務めるドラマ『銭形警部』への出演も決まっており、さらなる活躍が期待される。

 次期CMクイーンの呼び名が高い山本美月も有望株の一人だ。2016年はテレビドラマ4本、映画2本に出演。『貞子vs伽椰子』や『少女』では、これまでのイメージとは違う役柄を演じ、クリエイターの間でも注目を集めた。もともと8頭身といわれている抜群のスタイルや、同世代の女子から絶大な支持を集めているルックスは誰もが認める存在だけに、良作に巡り合えば、女優としてトップに上り詰めるだけの潜在能力は持っている。

 その他にも、朝ドラ『とと姉ちゃん』で高い演技力を評価された真野恵里菜や、朝の情報番組『ZIP!』の総合司会を2年間に渡って務めていた北乃きい、最近はバラエティ番組での活躍が目立つが、『白鳥麗子でございます!』で連続ドラマ、映画の主演を務めた河北麻友子SKE48を卒業し女優としての活動を宣言した松井玲奈なども1991年生まれの女優たちだ。

 こうしてみると、非常にバラエティに富んだメンバーがそろっている。2017年は26歳になる彼女たちだが、どんな個性をスクリーン上で表現してくれるのか……とても楽しみだ。
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