2016年も残すところあとわずか。今年も心に残る映画やドラマが数多く世に送り出されてきたが、良作には必ずといっていいほど、心に残る演技をみせる俳優たちの存在がある。
ここでは2016年に大活躍した俳優たちを紹介したい。

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 まず“大活躍”という言葉が最もふさわしい俳優といえば、菅田将暉の名前が思い浮かぶ人も多いのではないか。2013年に公開された映画『共喰い』でみせた破滅的かつ繊細な演技は、映画界に大きな衝撃を与えた。特に作り手側は、菅田の演技力と個性に注目。出演作は年を追うごとに増えていき、2016年には『セトウツミ』や『溺れるナイフ』で主演を務めるなど9本の映画に出演した。どの作品も物語にとって重要な役柄で、菅田ならではのインパクトある演技をみせた。

 映画のみならずテレビドラマやCMでも大活躍。「au」のCMでみせた“鬼ちゃん”のインパクトは、菅田の知名度を大きくあげたといっても過言ではないだろう。2017年も『キセキ ‐あの日のソビト‐』や『帝一の國』、『銀魂』などの注目作が控えており、まだまだ快進撃は続きそうだ。

 タイプは違うが、菅田と並んで高い注目を集めた若手俳優が山崎賢人だ。出演作こそ菅田ほど多くないが、2014年から今年にかけて、人気少女漫画の実写化作品で主演を務めるなど、王道を驀進している。2016年も『オオカミ少女と黒王子』ではドS王子を、『四月は君の嘘』では心に傷を持った繊細な天才ピアニストを演じるなど、若い女性から絶大なる支持を得た。
さらに漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の実写映画化で、山崎は主人公・東方仗助を演じることが発表され、大きな話題となった。2017年もジョジョをはじめ、『一週間フレンズ。』、『斉木楠雄のΨ難』、『氷菓』らの注目作品への出演も控えており、さらなる活躍が期待される。 神木隆之介も大きな話題を提供した俳優の一人だ。2016年は、実写映画こそ『太陽』、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の2作品だったが、どちらも“若手実力派俳優”という呼び名にふさわしい演技で視聴者を魅了した。さらに、歴史的大ヒットを遂げたアニメ映画『君の名は。』で主人公・立花瀧の声を演じ、高い評価を得た。俳優としての実力はもちろんだが、声の演技も非常に感情移入しやすいという特徴を持っており、邦画歴代興行収入ランキング1~3位の作品(『千と千尋の神隠し』『君の名は。』『ハウルの動く城』)すべてに参加しているという事実も彼のスゴさを物語っている。

 また“塩顔イケメン”というフレーズで注目を集めていた坂口健太郎も2016年、飛躍を遂げ、『64‐ロクヨン‐』や『オケ老人!』など映画4本、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』をはじめドラマ5本に出演という活躍をみせた。坂口同様、“塩顔男子”の代表として取り上げられることが多かった星野源も、俳優としてブレイク。先日、大反響のなか最終回を迎えた『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡役、大河ドラマ『真田丸』の徳川秀忠役と、今年最も注目を集めたであろうドラマに出演するなど俳優としての知名度をあげた。


 その他、出演作が途切れることのない柳楽優弥池松壮亮も、自身の魅力を追求するべく2016年も意欲的な作品に挑戦。緩急自在の演技は多くの人の注目を集めることとなった。特に『ディストラクション・ベイビーズ』で柳楽が演じた芦原泰良は、色々な意味で日本映画界に衝撃を与えたキャラクターだった。

 2017年も大人気漫画の実写映画化をはじめ、規模の大小問わず魅力的な作品の公開が控えている。俳優探しという視点で作品をみるのも大きな楽しみの一つだ。
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