2017年注目の若手俳優である板垣瑞生が、綾瀬はるか主演で3年にわたり放送中のNHK放送90年大河ファンタジー『精霊の守り人』の第2シーズン『精霊の守り人 悲しき破壊神』に、新ヨゴ国の皇太子チャグム役で出演する。5人組ボーカルダンスユニットM!LKのメンバーとしても活動し、俳優としては2015年に公開された『ソロモンの偽証』で印象を残した板垣が、現在の心境を語った。


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 板垣が第2シーズン(1月21日より放送開始)から出演する『精霊の守り人』は、人と精霊が共生していた新ヨゴ国を舞台に、女用心棒バルサ(綾瀬)と皇太子チャグムの壮大な冒険を描く歴史ファンタジードラマ。「僕は成長したチャグムとして第2シーズンから出演させていただくんですが、最初にお話しをいただいたときは、『ん?(日本人なのに)チャグム??』となりました(苦笑)」と当時を振り返る。

 その後、原作でもある小説「守り人」シリーズを読んでいくうちに「これはすごいファンタジー大作だ」と思ったという。「軸としては、第1シーズンでチャグムがバルサに言われた『顔も知らない者たちのために生きろ』という言葉を意識しています。ファンタジーではありますが、いまの時代にも照らし合わせて考えられる思いが入っていると思います」。

 現在、『精霊の守り人』第3シーズンの撮影中という板垣は、「すごい俳優さんたちに会いすぎて感覚がマヒしているところがある」と率直な気持ちを明かす。綾瀬の印象については「綾瀬さんは、普段"ぽわん"とした印象なんですけど、役に入ると全然違うし、座長として周りの人たちを包み込む力がすごいんです。本当に優しいし、全体のことを見ていて、こういう人だからバルサをやれるんだと強く感じます」。また、共演者の高良健吾からは、「若いうちにいっぱい怒られたほうがいい。怒られたことで一歩成長できるから、怒られることから逃げちゃだめだよ」という言葉をもらったという。 現在まだ高校1年生。多感な時期に、実力派の先輩たちと仕事ができているのは何よりの財産だろう。
板垣自身、「養分になっています」と胸を張り、「この養分をどう使っていこうか、今からニヤケが止まらない感じです。お芝居をしていて満足することは決してありませんが、次、どうしたらいいだろうと考えるとワクワクします」と目を輝かせる。「板垣瑞生に任せてよかったと言われる役者にならなきゃダメだと思っています。ずっとこの先もお芝居を好きな気持ちに変わりはないと思うけれど、好奇心を忘れずに、周りのこともきちんと見られる俳優になりたいです」。

 芝居では大人びた表情を見せるが、役者業と並行して活動しているM!LKで見せる顔は全く違い「むしろ子供っぽいと思う」と笑う。そしてM!LKとしては「もっと世の中に認知されたいし、前から言っている武道館ライブを目標ではなく、『武道館でやります!来てください!』と宣言したい」と誓った。

 最後に個人として、2017年に挑戦したいことを聞いてみると、板垣の人物像が分かる答えが返ってきた。「写真を真剣にやりたくて。フィルム用のカメラもいただいて持っているので今年は使います。1枚からそのものの歴史が感じられるような写真を撮りたいんです。そこで一生懸命頑張ってきたんだなというのが伝わるような、どこかが欠けた銅像とか、水が出なくなっちゃった噴水とか。何があって、いまこの姿でいるんだろうと想像できるものが好きで、そうしたものを写真として収めたいですね」。
板垣らしい感性から誕生するチャグムが楽しみだ。(取材・文・写真:望月ふみ)
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