【写真】長澤まさみ、『コンフィデンスマンJP』インタビューフォトギャラリー
長澤扮するダー子は、とんでもないターゲットと常識はずれの計画を持ち込む信用詐欺師たちのリーダー的存在。天才的な知能と抜群の集中力を持ちながらも、詰めが甘くいい加減な性格という破天荒な役柄だ。
「とにかく古沢さんの脚本が面白いんです。『こうくるだろうな』という王道でありつつ、奇想天外な流れもあり、何度読んでも新鮮な気持ちで臨めます」と長澤は古沢脚本を絶賛。「演じていて、古沢さんは私のことをよく分かっているなと感じることが多かったです。この感覚は三谷幸喜さんの作品に出演しているときと似た感覚でした」と感想を述べる。
本作のダー子は、長澤をあてがきしたという話を聞いたことがあるが、「あてがきって本人そのままを投影させるのではなくて、その人の持つ要素をうまく取り入れることだと思います。その意味で、古沢さんは私のなかにある“意外にお調子者”な部分を見抜いているなって感じたんです」とつぶやく。長澤=お調子者というパブリックイメージはあまりないように感じられるが「こう見えて、家族のなかでは一番ムードメーカーなんですよ。みんなに話しても『ふーん』みたいな反応ですけれど」と苦笑い。
そんな“お調子者”要素が随所にみられるダー子は、劇中さまざまな人物になりきるため、七変化をみせる。
また、東出昌大、小日向文世とタッグを組む信用詐欺師チームも本作の魅力の一つだが「小日向さんがムードメーカーになって下さり笑いが絶えない現場です。東出くんは人見知りなのかなと思っていたのですが、小日向さんがありとあらゆることを引き出してくれて、いい感じで撮影は進んでいます」と撮影現場の雰囲気の良さを明かす。 11年ぶりの月9主演ということで、プレッシャーを感じているか尋ねると「実は撮影に入る寸前まで、月9だということは知らなかったぐらいなので、あまり気負わずに現場に入れたと思います」と語る。さらに「いま私はすごく前向きにいろいろなことに取り組めているので、この作品も良い方向に運んでいくのかなと思っているんです」と笑顔をみせた。
長澤の言葉どおり、近年、魅力的な作品への出演が続いている印象があるが「そういうイメージを持っていただけるのは、とても嬉しいですね。自分自身では、いただいた仕事を丁寧にやることをテーマにしています」と冷静に自身を顧みる。
「若いころは、良くも悪くも自分自身の色が濃かったので、それが邪魔だと思ったことはありました」と語った長澤。一方で「そういうイメージを変えていけるのも女優の仕事」という視点も持っているという。その意味で、本作で長澤演じるダー子は、長澤にどんな新しい引き出しをもたらすのだろうか―新しい長澤まさみに期待だ。(取材・文:磯部正和/撮影:坂本碧)
『コンフィデンスマンJP』は、フジテレビ系にて4月9日より毎週月曜21時放送。