33歳のおっさんが、ピュアすぎる乙女心を隠し持つ“おっさん上司”と、同居している“イケメンでドSな後輩”に告白されることから始まる新感覚の純愛ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系/4月21日より毎週土曜23時15分)。ヒロインの吉田鋼太郎、そして後輩の林遣都から恋心をぶつけられ、戸惑い、翻弄されまくる主人公を演じる田中圭が、「切なくなったり、恋を羨ましがれる、クソ笑えるただのラブストーリー」と自ら評する本作の撮影秘話を教えてくれた。


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 本作は、2016年に単発ドラマとして放送されネット上でも話題を呼んだ作品を連続ドラマ化したもの。結婚願望が強いのに、日常生活では家事一つまともにできないダメ男の春田(田中)が、恋愛対象圏外だった2人の男から迫られ、翻弄される姿を描く。

 田中自身「ほんと面白くて、台本読みながらケラケラ笑いました。すごく良くできているなって思いました」と話すほど、ずば抜けた設定が光る本作。なんといっても、渋く、シリアスな演技が似合う吉田が、乙女心に溢れたヒロインを演じるというのだから、気にならないわけがない。田中に吉田のヒロインっぷりを尋ねると、「かわいいです」と即答。「そして、あれだけのキャリアと実力がある方が、乙女出してくると、めちゃくちゃ面白いです。本当に鋼太郎さんにしかできない役です。それに、見た目も、ちょっとキューピーちゃんみたいで可愛いんです(笑)」。

 では、もう一人の恋のお相手である林についてはどうか。初共演となる二人だが、現在は撮影終わりにお酒を飲みに行く仲だという。「今回、初めて(の共演)だったというのもあって、クランクインしたばっかりのときに、勇気を振り絞って、食事に誘いました。
そこで意気投合して、今はちょいちょい出かけてます。仲良くなったら、面白いやつで。可愛いところもいっぱいあるけど、お芝居に対しては自分なりの考え方やプライドを持っていて。でも、それが決して頭でっかちじゃない。素直に吸収し、素直にやってくれるので心強いです」。 本作では、そんな3人によるラブストーリーが展開され、毎話、女子をキュンキュンさせるシーンが多数登場する。田中に、印象に残っている胸キュンシーンを聞くと、第1話でソファーに寝ているシーンを挙げてくれた。「春田がソファーで寝ちゃうシーンで、僕は服を散らかしながら、左の靴下だけをポイッと投げてソファーに倒れ込んで。そうしたら、服を片付けていた遣都が、急に、僕の右足の靴下をスッと脱がしたんです。『あっ!』ってなりました(笑)。台本にあるシーンはわかっていることだし、そのシーンをどう作ろうかと考えるのですが、(靴下を脱がしたのは)その場で思いついてやった動きだったので、僕には思いがけなくて、ちょっと恥ずかしかったです(笑)」。

 実はこのシーンには、さらに深い意味があるそうで、「1話で、僕が同じように寝るシーンが2回あり、どっちも片方だけ靴下を脱いで寝るという演技をしようと決めてやりました。
一人のときは靴下を片方だけ履いたまま。でも、牧(林)と一緒に暮らしているときは(林が)脱がせてくれる(という違いがある)。こういうちょっとした変化が蓄積されていく(ことで関係が変わっていく)。最終的にどんな感情になるのかは、まだわからないですが楽しみです」と明かしてくれた。こういった細かい演技も実力派が揃う本作ならではの魅力。役者たちの小さな動きから伝わる細やかな心情の変化も楽しんでもらいたい。(取材・文・写真:嶋田真己)

 『おっさんずラブ』は、テレビ朝日系にて4月21日より毎週土曜23時15分放送。
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