女優・水川あさみが濃厚な濡れ場に挑戦したことで話題を呼んでいるWOWOWの新ドラマ『ダブル・ファンタジー』が6月16日22時より放送開始となる。「常に面白い自分じゃなきゃ嫌」と信念を明かす水川に、「飛び込んで良かった」という本作や、自身のイメージに対する思い、そしてこれまでのキャリアについて語ってもらった。


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 人気脚本家の高遠奈津(水川)が、自制心を捨てて性愛に溺れていく姿を描く本作。「誰かに激しく突き動かされたい、性愛ではない部分で影響を受けたい、誰かと出会って変わっていきたいと思う気持ちって、誰しもが持っているものなのかなと思います」と奈津へ理解を示す水川。「奈津の場合は自由ですが、性欲だけに限らず、自分が変えたくないことや変えられないことに対して、きちんと向き合って突き進む覚悟を持てるようになれば、とてもかっこいい」とも語る。

 不倫や女性の解放を主眼に置く作品が話題を呼ぶ昨今のテレビ界については「不倫や社会的秩序に反するものは冷たく罰せられますが、人々が本当に見たいものは、やはり人間の欲望として、自分が望むか否かでなく、きっとどこかに“秘めているもの”なんだと思います」と考えを明かす。また「いろいろなことが抑制されている中で、自分がどうしたいか、どうしていきたいかということを、奈津ほどではなくても、解放したり、見つけたり。その背中を押すような作品になれば」と放送に向けて期待を込める。

 そんな水川は、世間から抱かれるイメージに対してある思いを抱いている。「例えば、『私ってどういうイメージですか?』と聞いたときに、『サバサバしてて明るいイメージ』と言われると、それをぶち壊したくなります(笑)。そういうイメージを壊せる役をやっていきたいという願望がありますね」。その言葉の通り、本作で世間のイメージを壊すこと請け合いの彼女の中核をなすのは、「常に面白い自分じゃなきゃ嫌」という信念だ。「自分にどれだけ飽きずにいられるかが常に課題です。年齢とともに、新しい何かに挑むことは恐れを生みますし、未経験のことは億劫になる」と前置きし、「そうならずに、きちんと立ち向かって行ける、モチベーションを保っていられる心を持ち合わせていたい」と貪欲な姿勢を見せる。
 20代から30代にかけて立ち位置を問わずさまざまな作品に出演してきたが、「20代の頃より今の方が、30代の方が全然楽しい」とのこと。「20代は与えてもらった仕事をこなし、どれだけ返せるかが大きな課題になっていましたが、自分はこういうことがやりたい、こうしていきたいという願望とのギャップに苦しみました」と明かし、「30代になってそれを打破しようと独立したんです」と回想。「言動の全てが自分の責任になりましたが、自分がどう立って、どうしたいかということを、明確にできる30代になった気がしています。今の方が、精神的にとても健やかですね」と語る表情は明るい。

 改めて、さまざまなチャレンジを含んだ本作がどんな意味を持つ作品になったか問うと、「飛び込んで良かった作品だとは間違いなく思っています。たぶん今までに見たことのない役を演じたという意味では、大きな爪痕を残せた気がします」としみじみ。「いろいろな抑制があるこの時代に、こんなドラマを作ろうと思ったWOWOWさんもすごいですが、そこに参加できたということが、一つ大きな判子を押せたという気持ちです。『間違えてないよ。頑張ってやっていけば、皆ついてくるんじゃない?』。この作品が、そんな道標になればいいな」。劇中では見せない晴れやかな笑顔とともにそう語る水川には、本作に確かな手ごたえを感じていることが窺えた。(取材・文・写真:岸豊)

 『連続ドラマW ダブル・ファンタジー』は、WOWOWプライムにて6月16日より毎週土曜22時放送(※第1話無料放送/全5話)
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