【写真】『おっさんずラブ』“まいまい”役で注目!伊藤修子 フォトギャラリー
『おっさんずラブ』で伊藤が演じた“まいまい”は、連続ドラマ版で新たに加わった役柄の1人。伊藤に決定するまで、脚本家とプロデューサーの中でもキャラクターが二転三転していったという。「もともと、脚本を担当された徳尾浩司さんの劇団に出たことがあったんです。なので出演が決まったあと、私に合わせて書き直していただいたみたいですね」と明かす。
独特のテンポ感で現場をかき回すコメディリリーフ的な役柄を演じることが多い伊藤。『おっさんずラブ』でも役柄的には「いつもの感じだな、と(笑)。でも、最初台本をもらったときは、まったくどういう展開になるのか予想つかなかったですね。あんなに人間関係がドロドロともつれてくるとは思わなかったので(笑)」と振り返る。
さらに予想外だったのは、ドラマの反響の大きさだ。「海外で放送されたこともあり、ぼちぼちではありますが、私のインスタグラムに香港や台湾、韓国の人からコメントが来たんですね。
伊藤のキャリアのスタートは小劇場だ。武蔵野美術大学に入学後、本人曰く「ギャグの一つも言えないような人間だった」のでなにか“面白いこと”を求めて演劇部に。卒業後の1999年に劇団拙者ムニエルに入団。その強烈なキャラクターで、あっという間に劇団には欠かせない存在になっていく。
やがて、転機が訪れたのが2010年。「拙者ムニエル主宰の村上(大樹)さんや、劇団繋がりで先輩だった八嶋智人さんが紹介してくださって、鈴木おさむさんの舞台に出演するようになったんです。そこでバッファロー吾郎さんと知り合い、『ダイナマイト関西』に誘われたんです」。
大喜利で最も「おもろい」者を決めるという真剣勝負のお笑いイベント『ダイナマイト関西』の出場を一度は断ったが、初出場した2010年の第1回大会で準優勝という好成績を残す。「拙者ムニエルって、台本の一部がごっそり空白になってて、セリフを自分で考えさせられるシーンが多かったんですね。あれが大喜利の訓練になってたんだなと」。それをきっかけに、バラエティ界からも注目が高まることになる。
しかし、2012年10月から半年ほどレギュラー出演をした『笑っていいとも!』(フジテレビ系)では、苦い経験もしたようだ。「舞台だったら大丈夫なんですけど、テレビは何台ものカメラに撮られて緊張してしまって…」と当時の悔しかった思いを明かす。そして自分の“得意分野”を再度確認した2014年は、「IPPONグランプリ」と、2度目の出場となった「ダイナマイト関西」でしっかりと爪痕を残した。
現在、ドラマや映画、舞台など、さまざまなジャンルで個性派女優として活躍する彼女。やはり個人的に好きなのは“コメディ”だとか。ちなみにここ数年香港映画にハマっていて、特に好きなのは1979年から日本でも一大ブームを巻き起こしたマイケル・ホイの『Mr.Boo!』シリーズ。
「私、香港映画だったら活躍の場があるんじゃないかと思って(笑)。ついつい『自分だったらこういう役できそう』とか思いながら観てます!」と楽しそうに話す。確かに想像すると、いかにも似合いそう! 伊藤修子のアジア進出も近いかもしれない。(取材・文・撮影:川口有紀)