【写真】窪田正孝、インタビューフォトギャラリー
翔の生き方について「頑なに働こうとしないけど、働く以上に身体を動かすこともあるので、逆に『働いた方が楽なんじゃない?』って思うことがある」と疑問を呈しつつ、「人には理解されにくいかもしれないけど、好きな人への愛情の形だとも思うので、そこはブレずに演じています」という窪田。
「ゆり子のように母性本能を持つ女性は魅力的。そこに甘える翔ちゃんにはずる賢い部分もありますが、彼が憎まれるキャラクターになってはいけないので、愛嬌とかわいらしさが出るように気をつけています」と語る。
チャーミングに演じるために、こだわっていることは「甘えた言い方をすること」だという。「ゆり子への愛情にプラスして、彼女がホッとする言葉を投げかけてあげるのが、翔ちゃんの役割ですね」とニッコリ。
そんな翔の「ひとつのことをやると周りが見えなくなる」部分に、窪田は共感するらしい。「僕の場合は、ネットサーフィンしているときや、ドライブしているとき。あと運動不足を解消するために、キックボクシングを始めたのですが、そのときは人の声が全然聞こえなくなります(笑)。体を動かすと気持ちがよくて、ストレス発散になりますね」。
逆に「女性にお金をねだることは僕はできないです」と全く共感できない面も。「女性や後輩とご飯に行くなら、僕がお金を出したい。
窪田の場合、どんな人なら心地よく共同生活できるのかを聞くと、「自分でも分からないです」との回答。相手を縛ることも縛られたくもないそうで、たとえ結婚しても「専業主婦になってほしいとは思わないです。料理以外の家事は得意なんで、家のことはむしろ自分がやりたいくらい。洗濯物は自分で畳みたくて。自分のことは自分でやるので、基本ほっといてほしいです(笑)」とこだわりをみせる。
ここ数年、主演を重ね、役者として飛躍する窪田。翔は“ゆり子への愛情”がぶれないが、窪田自身が“ぶれないもの”として挙げたのは「芝居に対する取り組み方」だ。「もちろん葛藤もありますが、『絶対こっちの方が面白い』と思ったら結構、戦います。『ヒモメン』でもよりよくするために、監督やプロデューサーを交えて、話させてもらいました」と打ち明ける。
そうした俯瞰で全体を見渡す意識は、主演を務めるようになって生まれたと語る。「最近は自身の役のことよりも、周りの人のことを考えている時間のほうが多くなったかもしれない。気持ちよく現場をやっていきたいですから。それも先輩方から学びました」。
主演というポジションは「自信になる部分もあるけど、撮影が終わると、それは全部リセットされるんです」と冷静に答え、「だから、その経験をどれだけ成長に活かせるか。今は知識よりも経験の方が欲しいですね。人を成長させるのは人でしかないから、いろんな人と混じり合っていきたい」と意欲を見せる。『ヒモメン』での“経験”が、俳優・窪田にどんな色を与えていくのか、楽しみだ。(取材・文・写真:高山美穂)
土曜ナイトドラマ『ヒモメン』は、7月28日よりテレビ朝日系にて毎週土曜23時15分放送。