【写真】『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』佐々木蔵之介インタビューフォト
原作は「島耕作」シリーズで知られる弘兼憲史が1995年より連載を開始した大ベストセラー。エリート銀行員として仕事一筋に生きてきた男が、理不尽な左遷に見舞われ、気分転換にとひとりで訪れたスイスのマッターホルンで運命の女性と出会うことに…。
物語を追えば、まごうことなきラブストーリーであることが分かるが、佐々木自身は当初「勝手にヒューマンドラマだと思ってた(笑)」とのことで、ラブストーリーで主演という自覚がなかったという。それは自身が演じる瀧沢完治の心境とも重なる部分がある。
「え? ラブストーリーなの? という感じで、そこから演じ方が分からなくなってしまいまして…(苦笑)。ただ、完治もずっと仕事一筋でやってきて、左遷されて、ちょっと気分を変えようとスイスに行ったらそこで(運命の相手と)出会ってしまい、そこからラブストーリーの主人公になったんです。人はあるとき、偶然にラブストーリーの主人公になる可能性が十分にあるってことなんですね。(ドラマを見る)みなさんも、こういう恋を勧めるわけではないですけど(笑)、いつそういう状況になるかわかんないですから、心の準備だけはされていた方がいいと思います。『ない』と決めつけるよりも『あるかも』と思っていた方がハッピーになれると思いますので(笑)」。
完治がスイスで出会った栞(黒木瞳)に心惹かれていく一方で、彼の妻の真璃子(中山美穂)は、あろうことか娘の婚約者と禁断の恋に落ちていくことに…。だが決してドロドロとした愛憎劇が展開されるわけではない。
「みんな、ある意味で真面目なんです。
「(20代の)サラリーマン時代の当時の上司が、いまの僕よりも少し上だったのかな? 仕事の時間よりも飲んでる時間が長くて(笑)、あの頃から『おかしいやろ!』って思ってたんですけど…」と振り返りつつ、自身がこの世代になることは「全然、考えてなかった。もうちょっと立派な大人と思いきや…」と笑う。
「実際、この歳になってみても、そこまで何って感じないですけど、後から振り返って『あの頃はこんな感じだった』と思うのかもしれませんね。それこそラブストーリーの主人公をやることになるとも思ってなかったし、でも、これをきっかけに今後もやってみたい!と考えるかもしれません(笑)」。(取材・文:黒豆直樹/写真:高野広美)
木曜劇場『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』は、フジテレビ系にて10月11日より毎週木曜22時放送(初回15分拡大)。