【写真】女子高生、ゼブラクイーン、サレ妻…「仲里依紗」の個性が生きたキャラクターたち
◆圧倒的な存在感で話題作のヒロイン役に次々と抜てき
1989年に長崎県で生まれた仲は、雑誌のオーディションをきっかけに芸能界入り。デビュー後、ファッション誌のモデルを務めていた彼女は2006年に公開されたアニメーション映画『時をかける少女』でヒロイン役に抜てきされる。主人公の女子高校生をハツラツとした声で演じた本作は、クチコミによるロングランヒットに加えて多数の国際映画祭に出品されるなど、仲に女優としての飛躍を促した。
その2年後に公開された実写映画『純喫茶磯辺』で主演を務めた彼女は、父親役の宮迫博之を相手に丁々発止のやりとりを見せると、複数の映画コンクールで新人賞を獲得。さらにその2年後となる2010年には実写映画として製作された『時をかける少女』で再びヒロイン役を好演。
その後も妊娠9ヵ月の破天荒なシングルマザーに扮した映画『ハラがコレなんで』(2011)、負けず嫌いな研修医を演じたドラマ『レジデント~5人の研修医』(2012年・TBS系)などの作品で主演を務めて、女優としての輝かしいキャリアを重ねた仲。そんな彼女の近年の代表作として忘れてはならないのが2018年放送のドラマで現在再放送されている『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)だ。前年に出演し、女性の底知れぬ怖さをリアルに演じ大きな反響を呼んだドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)に引き続き、夫に不倫される妻(サレ妻)に扮した本作。中村倫也や松本まりかといった個性派俳優を向こうに回して、絶望を味わったヒロインの再生を表現し、多くの視聴者の共感を集めた。◆抜群の演技力を誇る名バイプレイヤーの一面も
女優・仲里依紗の魅力といえば、スクリーン映えする存在感もさることながら、さまざまな役柄がこなせる抜群の演技力も挙げられる。
特に近年はその高い演技力を活かしてバイプレイヤーとしても大活躍。武井咲のライバルホステス役でインパクトを残した『黒革の手帖』(2017年・テレビ朝日系)や、2019年放送のドラマ『フルーツ宅配便』(テレビ東京系)では濱田岳演じる主人公の同級生で壮絶な過去をもつセックスワーカー役を好演。また同年放送の高橋一生主演ドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)では、高橋扮する銀行員に片思い中の友人の妹として登場。優雅な独身生活を謳歌(おうか)する主人公たちを“こじらせ男子”と喝破する絶妙なツッコミキャラとして物語を盛り上げた。
そんな仲は現在『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)と『エール』(NHK総合ほか/月曜~土曜8時)に出演している。『美食探偵~』では殺人を犯す主婦みどりを怪演。
◆歌手、そしてYouTuberとしても親しまれる存在に
圧倒的な存在感と抜群の演技力で主演からバイプレイヤーまで器用にこなす彼女だが、女優業以外の活動も見逃せない。
2010年に彼女が出演した映画『ゼブラーマン‐ゼブラシティの逆襲‐』では、主人公のゼブラーマンと対峙するゼブラクイーン役でヴィランに挑戦。超人気ロック歌手という設定のゼブラクイーンを演じた仲は、映画公開の直前にゼブラクイーン名義でCDデビュー。
そして2020年4月にはYouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』を開設し、メイク動画やトレーニング動画、料理動画などをハイペースで更新。黒ギャルメイクに挑戦してみたり、カバンの中身を披露してみたり、ナイトルーティンを公開してみたりと、どの動画も彼女の飾らない人柄が存分に堪能できる仕上がりに。女優業だけでなくYouTuberとしても高いポテンシャルを発揮している。また、インスタグラムで抜群のファッションセンスや、夫・中尾明慶との仲睦まじい様子を披露し、同性からの高い支持を集めている仲。
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今後は、俳優の佐藤二朗が監督を務め、山田孝之と共演した映画『はるヲうるひと』(近日公開)が待機中の彼女。架空の島にある売春宿を舞台に、生きる手触りがつかめず、死んだように生きる男女が、それでも生き抜こうともがく壮絶な闘いを描く本作で、佐藤監督いわく「誰も見たことのない仲里依紗」が見られるという。幅広い役柄を軽やかにこなす女優業に加え、YouTuberとして、そして1人の女性としてもさらなる輝きを放つ仲里依紗からますます目が離せない。(文:スズキヒロシ)